サブカルチャー

Kaleidoscope/万華鏡

ご存知ですか?ダムファン、ダムカレー、ダムカード!?

ダムライター/ダム写真家 萩原雅紀

 本サイトを閲覧されているのは主に建設関係の方とのことで、ダム建設に携わったことのある方も少なからずいらっしゃると思います。そこで皆さんにお聞きしたいのですが、「ダムファン」という人々をご存知でしょうか。

1207_16_kaleidscope_2.jpg ダムファンはダムを愛してやみません。きっかけは人それぞれですが、巨大なダムの迫力、自然の中に人工物が突如現れる非日常感、大雨や渇水と戦う孤高の姿、そういったものに惹かれ、さまざまなダムを観てまわることがライフワークとなっています。


 そして最近では、ダムファンを中心に、さまざまなダムのムーブメントが起こっています。多くのダムファンが自らのホームページでダムの魅力を発信し始めたことがきっかけになり、たとえばダムを撮影したDVDや写真集が発売されたり、団体でのダム見学バスツアーが開催されたり、ダムをテーマにしたトークショーが開かれたりしているのです。ダム型のライスでカレーを塞ぎ止めた「ダムカレー」なんてメニューを作ったレストランもあります。重要なのは、これらすべてが専門家ではない一般のダムファンが企画した、ということです。


 そうなると、初めのうちは「ダムのことが好きな人々」の存在を認識していなかった、国交省や電力会社といったダム管理者側もダムファンと交流を持つようになって、ムーブメントはさらに加速しました。


 まず大きなターニングポイントになったのが、日本ダム協会が作成した「ダム便覧」というホームページです。これは日本の全てのダムの位置情報やスペックなどのデータベースで、誰でもダムに行きやすくなり、ダムファン人口が爆発的に増えました。また、国交省や水資源機構が全国100以上のダムで配布を始めた「ダムカード」もダムファンの増加に拍車をかけました。これは表面にダムの写真、裏面にダムのスペックや独自情報が記載されたカードで、そのダムに行かないと入手できず、また全国のダムでフォーマットが統一されているので、収集欲を刺激され、多くの人がダムを訪れるようになりました。実は、このダムカードも「ダムファン」のアイデアが基になっているのです。

 テレビや新聞で取り上げられると、たいていは「税金の無駄」、「自然破壊の元凶」などと叩かれることの多いダムですが、その役割の重要性や魅力に気づいた人々によって、ダムを盛り上げる動きも活発になっています。皆さんも、今度の休日に、お近くのダムに出かけてみませんか。

 

 

 

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