構造模型
建築模型とは大きく4つに分別され、その中で圧倒的に多いと言われている「スタディ模型」は、建設したりする前に予め形態や大きさなどを確認するために製作する検討用の模型です。その他にも、建物の完成した様子を表現した完成予想の「プレゼンテーション模型」や、博物館やテーマパーク、資料館などで動作や仕組の説明目的に作られる展示の「演出模型」、住宅やマンション販売業者による販売支援の「商業模型」などがあります。
建設模型の歴史は古く、1000年以上も前から模型が作られています。当時は、石膏に水を加え液体にして平坦なガラス板に少量を流し、その上にガラスを乗せる事で、ガラスとガラスの間に石膏の薄い膜を作り、薄い均等な石膏ボードを作っており、応用としてレンガ模様などの型板を使ってリアルな模型を作っていました。石膏の取り扱いは大変難しく、かなりの職人技が必要となり、製作価格はとても高額となっていました。近年は、石膏に代わって取り扱いの簡単な「スチレンボード」が登場して簡単に建築模型を製作出来るようになりました。
そんな建築模型の魅力や疑問を、ユキ・建築アート・プロダクション株式会社の桐生一成さんにお聞きしました。
マンション模型
Q.最近はCG(BIMやCIM)が増えていますが、
建築模型ならではの魅力は何ですか?
A.空間把握ではないでしょうか。
建物の全体を把握するためには、実際に空からいろいろな角度で見なければなりません。模型なら一目で全貌を見ることができるので、よくわかるのです。特に部屋の間取りは平面図からのイメージが難しく、それが模型では一目瞭然。正確な縮尺の建築模型は、完成予想図としての優れた伝達ツールとなります。
ミニチュアの世界としても広く愛され、その精巧な模型からアートにまで昇華した模型まで、満足度の高いものづくりの世界です
街区模型(高速道路)
Q.役目を終えた後、模型はどうなるのですか?
A.保管、寄贈、廃棄の選択肢のうち、その判断の多くは模型の大きさと保管スペースによって左右されます。
住宅模型であるマンション模型は、モデルルームに展示されることが多いのですが、販売終了等の理由で不要になると多くは廃棄されます。模型のサイズが比較的大きいものが多いので、保管スペースを確保できないことが多いのでしょう。
一方で、同じ住宅模型である戸建模型は、施主への説明や検討用として作られますが、使用後は施主へプレゼントするか、あるいは設計事務所の事例として保管するなど、廃棄しないことが多いようです。
Q.模型製作の期間と費用はどのくらいですか?
A.建築模型の製作費は、作り込みの度合いで金額が異なります。
細部まで表現すれば製作費は高くなり、簡略化した表現ならコストをおさえることができます。
中型マンション模型――製作期間:1ヶ月前後、製作費:40~60万円程度
戸建模型――製作期間:1~2週間、 製作費:10~20万円程度
(弊社経験価格)
御殿場市玉穂支所の模型