サブカルチャー

Kaleidoscope/万華鏡

こんなのアリ!?恐竜にシマウマ?ペイント重機

(株)菊建興業
(有)友宏社

 建設機械は土木・建築の工事や災害復旧など、人の力では困難な作業を手助してくれるスーパーマシンである。カッコイイ重機に憧れて建設業界に入職する若者も少なくはないだろう。
 しかし、建設現場の多くは安全面、景観への配慮から閉ざされてしまっており、建設現場に接することが少なくなったと言われている。そのため重機を間近に見ることや、建設産業の仕事に憧れを抱く子どもたち、建設産業の仕事に興味を持つ若者も、昔にくらべ減ってきたのではないだろうか。
 もしも、建設現場のゲートやフェンス越しに見える重機が「動物」や「恐竜」だったりしたら、子供たちの視点も変わってくるのではないだろうか。本誌では、こうした状況を変えてくれるであろう「建設産業の広報手法」の1つとして、建設重機のペイントやラッピングに注目してみた。
 (株)菊建興業は、練馬区の解体業を営む。都内近郊の解体現場が多く、近隣の方々から苦情も少なくはない。解体作業というのは、振動や騒音によりどうしても近隣にご迷惑を掛けてしまう作業であるという。近隣の方々に少しでも〝嬉しい気持ち〟になってもらえるよう社長が考えたのが、この「ピンクの水玉の重機」である。
 実際に「ピンクのカワイイ重機を見た」、「見れてうれしい」といった多くの目撃情報がインターネット上で話題になっている。
 (有)友宏社は、岐阜県にある看板屋であり、柴山社長自身が根っからの看板職人。3Kと言われイメージが良くなかった土木建築の現場で、イメージアップを狙い重機に動物や恐竜のペイントを始めたところ評判がよく、子供たち向けの見学会等も行われたという。「こういった創作意欲の湧く案件は、私たち職人にとって時間を忘れて没頭してしまうものです」と話す。

ペイント重機

▲(有)友宏社では、シマウマ、キリンの他にも、キングコングや恐竜、ロブスターなど、これまで多くの依頼に応えてきた。工期はデザインを含め1週間から10日ぐらい。費用は25万円位から受けている。 ▲(株)菊建興業では、ピンクの重機を複数所有しており、多くの女性の間で話題となっている。運が良ければ都内近郊の解体現場で、この「幸せのピンクの重機」を見ることができるかもしれない。

 

 そもそも…何故、重機は黄色い?

 そもそも、なぜ建設重機の色は黄色が多いのであろうか。一説には蜂が黄色いのと同じように「警戒色」であるから。また、安全標識には「安全色」というものがJIS(日本工業規格)で定められており、これに准じてているなど、とにかく黄色は人間が見て一番速く焦点が合う色と言われ、注意喚起に最も使われている色なのである。ちなみに、ビル工事用の仮設クレーンなどは「航空法」で黄赤と白の順に交互7等分に塗装するよう「航空色」が定められているのである。

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