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外国人材評価制度の構築へ

国土交通省

 国土交通省は、来日して技能の習得や向上を図る外国人材を評価・表彰する「評価制度」を構築する。焦点になるのは東京五輪関連など一時的な建設需要への対応などを目的に2015年4月にスタートさせた「外国人建設就労者受入事業」。技能に応じた評価を組み込むことで帰国後も含めた活用の適正化を図る。外国人材の活用を考える建設企業にとっては、その人材の能力を推測する判断材料になる。そのための事業費を2017年度予算の概算要求に「建設分野における外国人材活用の適正化事業」として1億1100万円を盛り込んだ。
 監理団体や受入企業に対する巡回指導、管理システムの運営、受け入れ状況や不正行為などの情報を共有する適正監理推進協議会の運営、送り出し国における事前訓練の実施(建設特定活動活用モデル事業)に加えて、技能レベルや能力の"見える化"を図る評価制度の構築で、外国人材の活用に向けて万全の体制を整える。評価制度の構築は、技能を習得する上でのモチベーションアップにつながるだけでなく、帰国後を含めた求人・求職のマッチングにも役立つ。「日本式」の施工方法や技能を身に付けた外国人材が、帰国後も日系企業の現場で活躍するための環境整備にもなる。
 外国人建設就労者受入事業は、国土交通大臣が認定した「特定監理団体」と受け入れ企業とが共同で職種や就労場所、従事期間、報酬予定額などを記す「適正監理計画」を作成するなど、これまでの技能実習制度を上回る特別な監理体制を構築し、即戦力の外国人材を活用しようという事業。外国人建設就労者(技能実習の修了者)に限って継続雇用や再入国を認める。技能実習からの継続雇用は最大で2年間、帰国後1年以上が経ってから再入国する場合は最大で3年間、日本で働くことができる。事業のスタートした昨年4月からことし8月末までに受け入れた外国人建設就労者は775人(再入国が656人、継続雇用が119人)。既に認定されている「適正監理計画」の内容を積み上げると、年度内に1500人に達する見込み。

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