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2017年度全国職業訓練実施計画案まとまる|建設など人材不足分野に重点

厚生労働省

 厚生労働省は2017年度の全国職業訓練実施計画案をまとめた。公共職業訓練の離職者訓練では、委託訓練で人材不足の深刻な建設などと、成長が見込める環境・エネルギーなどの分野の訓練コースを充実させることを明記。また、委託訓練の受講者の「就職率75%を目指す」とし、現行の70%から数値目標を引き上げた。また、求職者支援訓練でも、建設など人材不足分野・職種に重点を置くとともに、地域の産業動向と求人ニーズを踏まえた訓練コースとすることを記載した。今後、3月に開く予定の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)に諮った上で、3月末にも大臣告示される。都道府県が策定する地域職業訓練実施計画は、全国計画案をもとに策定作業が進められ、全国計画策定時とほぼ同時期に全都道府県で定められる予定だ。
 計画案によると、公共職業訓練のうち、離職者訓練の対象者数は15万5,151人とし、建設など人材不足が深刻な分野と、成長が見込まれる環境・エネルギー分野などで、人材育成に重点を置いて実施する方針を掲げる。対象者数のうち2万5,500人は、公共職業能力開発施設内で実施する施設内訓練、12万9,651人を委託訓練とし、就職率は施設内訓練で80%、委託訓練で75%を目標に置く。委託訓練は建設分野などの訓練を充実させるとともに、委託訓練対象者数のうち1万1,000人に対し、実践的職業能力を与える必要がある者に対する「日本版デュアルシステム(企業実習と座学を一体的に組み合わせた訓練)」を実施する目標も掲げた。施設内訓練対象のうち3,000人も同システムで実施するほか、建設分野にも適用する見込み。また、これまで能力開発機会に恵まれなかった非正規雇用労働者を対象に国家資格の取得を目指す長期の訓練コースを新設・拡充し、正社員就職に導くことができる充実した訓練の実施を17年度計画で初めて明記した。求職者支援訓練は、3万9,700人程度に訓練機会を提供するため、訓練認定規模の上限を6万3,950人程度に設定。雇用保険適用就職率の目標は、基礎コース55%、実践コース60%。基礎的能力から実践的能力までを一括して習得する実践コースを中心とする。コースの設定にあたっては、建設などの人材不足分野と成長分野に重点を置く。
 また、地域の状況や工夫に応じて主体的に独自の訓練分野を設けたり、特定の対象者や特定地域を念頭に置く訓練を設定する「地域ニーズ枠」は、全都道府県の地域職業訓練実施計画で設定する。ただし、都道府県の認定規模の10%以内での設定を求めている。訓練への新規参入は、基礎、実践の両コースとも20%を上限として、地域計画で定める割合以下の範囲で職業訓練を認定するとしている。

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