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「事後公表」から「事前公表」へ相当数の逆行事例

国土交通省

 2015年4月に公共工事品質確保促進法(品確法)に基づく、発注関係事務の共通ルール「運用指針」の運用開始以降、「原則として事後公表とすべき」とされている予定価格を事後公表から事前公表に切り替える事例が相当数存在する。国土交通省が昨年12月に公表した公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく2016年度の調査(2016年3月31日時点)と、運用指針がスタートする直前の状況を示す2015年度の調査(2015年3月31日時点)を比較し、「全案件事後公表」または「全案件非公表」から「全案件事前公表」に切り替えたケースを抽出した。
 1721の市区町村のうち、事後公表または非公表から事前公表に切り替えたケースが20件、「原則非公表」や「一部の案件で事後公表」あるいは「事後公表と事前公表の併用」などから事前公表に切り替えたものを含めると計39件の逆行パターンがあった。2016年度調査によれば、706団体(都道府県14、指定都市4、市区町村688)が事前公表を採用。都道府県では青森県、岩手県、宮城県、茨城県、東京都、石川県、愛知県、福井県、奈良県、島根県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県の14都県が全案件を事前公表している。また、一部で事後公表を試行しているが、原則として事前公表としている自治体も秋田県や埼玉県など10自治体ある。一方、運用指針に沿って 全案件で事前公表から事後公表に移行する自治体もあり、予定価格の事前公表は2015年度の738自治体から706自治体に減少しており、改善は着実に進んでいるといえる。
 予定価格の事前公表については、積算も行わずに入札した業者がくじ引きで受注するなど適正な競争を阻害する要因にもなり得るとの指摘の一方で、予定価格の漏えいといった発注者サイドの不正行為の抑止などを理由に継続されている場合も多い。

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