基金の活動

第12回「基幹技能者制度推進協議会」開催報告

基幹技能者制度推進協議会

「課題3 登録基幹技能者制度の認知度と評価の向上」に向けた活動

【23年度の取組】都道府県への要望活動、発注者や元請企業の活用・評価の実態調査の実施、制度普及へ向けた新たなPR素材の作成

 協議会では、平成21年度から基幹技能者制度の普及へ向け、都道府県に対し要望活動を展開しています。平成23年度は要望活動の未実施地域である北陸3県、近畿5府県、四国4県を中心とし、更なる要望活動を展開する。

  実施年度 工種 総合評価タイプ 評価項目 評価内容
(国)
北海道開発局 H17(本格実施) 建築 標準型 施工品質を確保のための、基幹技能者の配置と役割の適切性 基幹技能者の配置と役割で、最大6点
東北地方整備局 H22.10(試行) 土木 全て 基幹技能者の配置の有無 登録基幹技能者1点、基幹技能者0.5点 最大2点
関東地方整備局 H22.4(試行) 土木 標準型・簡易型 現場従事技術者の能力 登録基幹技能者 最大3点
北陸地方整備局 H23.5(試行) 建築 標準型 現場従事技能者の能力 登録基幹技能者1点、基幹技能者0.5点 最大2点
中部地方整備局 H20(試行) 土木 標準型 現場従事技術者の技術力 登録基幹技能者 最大2点
近畿地方整備局 H22.4(試行) 土木/建築 標準型 現場従事技術者の能力 登録基幹技能者1点、基幹技能者0.5点 最大2点
中国地方整備局 H22.12(試行) 土木 標準型 現場従事技術者 登録基幹技能者 最大2点
四国地方整備局 H23.4(試行) 土木/建築 標準型・簡易型 登録基幹技能者の活用 登録基幹技能者 最大5点
九州地方整備局 H22.4(試行) 土木/建築 標準型・簡易型 配置予定建設技能者の表彰実績及び登録基幹技能者の配置
(オプション項目)
登録基幹技能者 評価項目の満点に対して25%
沖縄総合事務局 H23.4(本格実施) 土木/建築 標準型・簡易型 基幹技能者の活用 登録基幹技能者及び基幹技能者 最大5点
(都道府県)
東京都 H22.12(試行) 土木 登録基幹技能者の現場常駐を義務化
長崎県 H21(本格実施) 土木/建築 簡易型 基幹技能者の配置 登録基幹技能者及び基幹技能者の配置につき、0.1点~0.2点を加点
(独立行政法人)          
UR都市機構 H21(試行)
H22(本格実施)
建築 標準型 品質管理に係る施工計画 登録基幹技能者及び基幹技能者 最大1点
(特殊会社)
首都高速道路 H23.3 土木/建築 専任技術者の保有資格 登録基幹技能者 3点

 また、公共工事における基幹技能者制度の活用状況を把握するため、既に導入が行われている地方整備局等に加え、各都道府県での実施状況の実態を把握するための調査や、(社)日本建設業連合会が取り組んでいる「優良職長手当制度」における元請企業での評価の実例に関する調査を行った上で、登録基幹技能者の活用・評価を軸とした制度普及への新たなPR素材の作成を行うことが報告されました。

基幹技能者を活用する総合評価方式等の取組状況について

>>「基幹技能者を活用する総合評価方式等の取組状況について」(資料出典:国土交通省建設市場整備課)

優良技能者への職長手当制度について(資料出典:国土交通省建設市場整備課)

(社)日本建設業連合会が平成21年5月に発表した「建設技能者の人材確保・育成に関する提言」の実施における基本方針として、基幹技能者(職長)の中から、会員企業が特に優秀と認めた者を優良技能者と認定し、当該者の標準目標年収が600万円以上となるよう提言。

戸田建設、大林組については、登録基幹技能者の資格保有が支給要件となっている。

主な職長手当制度(概要)

会社名 制度の名称 支給内容 開始時期
戸田建設 優良技能者手当制度 職長会所属の職長のうち、登録基幹技能者
日額500円、約200人
平成22年4月
大林組 大林組認定基幹職長
(通称:スーパー職長)
職長のうち、特に優秀かつ登録基幹技能者
日額2,000円~3,000円
平成23年4月
清水建設 職長手当支給制度 作業所運営に大いに貢献した者
日額500~1,500円、約2,000人
平成23年4月より
制度拡充(全国展開)
東急建設 マイスター制度 同社の協力会社に5年以上の経験年数
年額10万円、78人(H22)
平成17年
鹿島建設 マイスター制度 日額1,000円(上限29万円)
大成建設 一級職長制度 経験年数、保有資格等により認定
日額1,000円、約300人
平成7年(建築のみ、東京・千葉の2支店)
竹中工務店 職長報酬 年1回5万円の報奨制度 平成3年

 議論の中で、元請団体からは「組織が全国ベースのゼネコンでは制度の認識度は確実に向上している。他社にて手当等の評価の動きがあれば、その動きに遅れないよう対応するため、今後、認知度や評価も向上する。しかし、現場の所長が知らないこともあるので、ヘルメットに基幹技能者のシールを貼付する、新規入場時のところで資料を提供する、施工体制台帳に表明するなど、地道ながらも具体的なPRを行うことが重要と考える。」といった、各講習実施団体自身のPRに加え、有資格者自身が本制度をPRする重要性について意見が述べられ、活発な議論が展開されました。

 協議会では「登録基幹技能者」のWEBサイトにて、制度に関する新着情報を随時掲載しております。

>>登録基幹技能者Webサイト

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