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建築・建材展2013

自然石の砕石を使った住宅地盤改良技術土地の資産価値を下げない「エコジオ工法」|建築・建材展2013

応募事業名:三重大学と開発した「砕石の住宅地盤改良(エコジオ工法)」の全国展開
事業分野:技術・ノウハウ販売
連携体団体:㈱尾鍋組、㈱サムシング、クラウン工業㈱

第19回「建築・建材展2013」が、3月5日から8日まで、東京ビッグサイト(東京・江東区)で開催されました。住宅・店舗・ビル用の各種建材をはじめ、設備機器やソフトウエア、工事・施工法、関連サービスなどを幅広く紹介する国内有数の建材関連総合展示会であり、「フロンティア事業」に採択された9つの連携体も出展しました。

 

 大規模土木工事では一般的な「砕石を使った地盤改良技術」を民間の住宅用に改良した「エコジオ工法」。株式会社尾鍋組(三重県松阪市)の尾鍋哲也社長は、本事業の背景についてこう振り返る。
「ここ数年、土木需要の低迷があり、新しい市場を開拓する必要に迫られていました。土木業のノウハウを生かせる民間市場を模索する中で、住宅の地盤改良に着目。これまで大規模施設の土木工事では自然砕石を使った地盤改良法が一般的でしたが、住宅用に使われていなかった。これを住宅用に改良できないものかと考えて三重大学大学院生物資源学研究科と共同で研究を進め、2010年に特許を取得したのです」
 従来工法では、軟らかい土壌では住宅などの建築工事ができないため土壌を補強する必要があった。補強には地中にくいを打ち込み、できた穴にセメントを流し込む工法が採用されていたが、それでは経年劣化が避けられない。その一方、エコジオ工法は、「砕石」だけを使う地盤改良工法。もともと自然界に存在している「石」から作られる「砕石」は、長期的にその強さを保ち続け、人工物を残すことなく既存の工法と同じ強度を確保する。土地の資産価値に悪影響を与えないというメリットがあり、地球にやさしいエコロジカルな工法といえるわけだ。
 具体的な工事としては、直径42センチの「EGケーシング」と呼ばれる鉄製の筒を地面に回転させながら打ち込み、土を排出。地上の筒の横から砕石を流し込み、10センチごとに締め固める。最後に筒を抜くと、地中に砕石の柱ができる。これが、住宅の傾きなどを防ぐ役目を果たすわけだ。適用地盤は砂質土、粘性土、ロームで、JIS規格に適合した砕石を利用する。尾鍋組は現在、施工業者などとエコジオ工法協会を組織し、全国展開に向けて普及に努めている。
 「エコジオ工法で取扱う材料は、土木業者が得意とする砕石と土だけのため、すでにエコジオ事業へ取組んでいただいた土木業者さんも売上を伸ばしています。各地の土木業者さんにも取組んでいただければと思います。」(尾鍋社長)
 さらに今年中に、土を排出しない、よりエコ度を高めた工法の投入も計画する。この工法では、重機に専用のアームを装着して地面を掘削すると、土砂が地上に出ない。掘削しながら土砂を側面に押し込める方法で排出を防ぐ仕組みになっており、残土処理が不要になるのと同時に地盤の強化も期待できるという。

エコジオ工法協会
http://www.ecogeo.gr.jp/

 

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