経済

建設経済の動向

建設企業の技術経営への取り組み -橋梁会社を事例に-

建設経済研究所

 わが国の橋梁技術は長大橋の建設などを通じて高度化され国際的にも高い水準にあるが、財政状況等から大規模プロジェクトが減少し、技術の継承・発展を図ることが難しくなりつつある。橋梁工事は専門性の高い分野であり、元請専門工事業である橋梁会社に蓄積された技術を活かすことが一層求められることになる。

橋梁の老朽化の状況

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 我が国の橋梁は、全国各地に約155,000橋あるといわれている。これらの橋梁は、高度経済成長期に集中的に整備されたものが多くあり、今後老朽化は急速に進む。全国の建設後50年以上経過した道路橋の割合は2009年で約8%、2019年には約25%、2029年には約51%となる。図表1は、建設後50年以上経過する社会資本の割合を示したものであるが、道路橋のほかにも、例えば、水門等河川管理施設(約11%→約51%)、下水道管渠(約3%→約22%)、港湾岸壁(約5%→約48%)など老朽化する社会資本が急増し、今後、維持管理費・更新費が増大することが見込まれる。

アンケート調査の概要

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 当研究所が今回行なったアンケートは(社)日本橋梁建設協会の協力を得て、平成24年1月から2月にかけて実施したものである。

<名称>
「橋梁会社の技術経営」に関する アンケート調査

<調査対象>
(一社)日本橋梁建設協会の会員企業の内、
回答のあった33社

考察

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 今回は、橋梁会社に対する事例調査を行ったが、建設投資が減少する状況下で建設技術の維持向上を図ることは建設分野全般に共通する課題である。限られた財源を最も有効に使って投資効果を上げるためには、発注者においては建設企業の技術力を活用するとともに技術開発や人材育成のインセンティブが働くような公共調達方式が求められる。さらに建設企業が業績を伸ばすためには自社の技術を活かし受注量を確保するとともに、将来を見据えた技術開発や人材育成に取り組む技術経営を戦略的に進めることが必要だろう。

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