企業経営改善

振興基金 中期経営方針のねらい

振興基金 中期経営方針のねらい

一般財団法人 建設業振興基金
理事長 内田 俊一

わが国の建設産業界を取り巻く環境は、今後とも厳しい状況が続くことが予想されます。このような状況にあって、当基金では、今後の社会経済情勢の変化に的確に対応するとともに、建設産業の振興を図るための中核的組織として、「お役に立てる」「専門家集団」を目指し、これを実現することを目的に「中期経営方針」を策定しました。この経営方針は、今後5年間の当基金の業務執行や組織運営の方向を明示するものであり、これに基づいて、一般財団法人移行後の基礎固めに取り組んでいく計画です。中期経営方針の狙いについて、内田理事長にお聞きしました。

 

 

お役立ち度倍増を目指す

―「お役立ち度倍増」を進めるためには、具体的にどのようなことが必要だとお考えですか?

内田 1つには、これまでの事業の総点検と見直しです。これは平成24年度において、各部局が連携し、顧客ニーズなどの把握調査を実施します。事業の総点検は、3つの項目、つまり「現事業に係る成果の確認」「改善事項の抽出」「新たな対応が必要な施策などの把握」をする必要があり、これらの手順を踏むことが重要だと考えています。

[顧客ニーズ調査の実施]

―見直しに当たっての視点はどうでしょう?

内田 見直しに当たっては、「顧客の声に応える」「経営資源の選択と集中を進める」「施策の連携を強化する」この3つ視点を重視し、具体的な対応に結び付けたいと思っています。

[見直しに当たっての観点]

筋肉質で強靭な経営基盤づくり

―経営の効率化による収支の改善についてはどうお考えですか?

内田 平成23年度決算において、当基金は残念ながら4億2000万円の赤字を計上しました。この収支改善を早期に図る必要があります。今後の見通しも一層厳しいものになると予測されます。このため現在行っている事業について抜本的な見直し、改善が欠かせません。新たな事業の創出などにより、5年後の平成28年度の段階で収支が均衡になるよう、さまざまな手を打っていきたいですね。

―収支改善に向けた具体的方策はどうでしょう。

内田 予算管理の徹底が重要だと思っています。予算編成については、年度ごとの緻密な予算編成プログラムの導入など。予算執行については、予算管理システムによる執行管理を目指します。これらによって組織を横断するような予算管理の徹底を図ります。

―業務推進体制の整備については、どのように進めていく計画ですか。

内田 3つの柱を考えています。1つ目には「職員の資質向上」、2つ目が「法令遵守など組織管理の充実」、3つ目が「効率的、機動的な業務執行」です。特に1つ目は、建設産業界の課題や現状を熟知し、サポートできる専門家集団を目指します。そして、顧客から常に信頼される人材の育成、組織づくりをぜひ実現したいですね。

[業務推進体制の整備]

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