企業経営改善

建設産業の電子商取引

建設企業の実践的広報

広報とは宣伝(ポスター、チラシ、CMなどの広告)と異なり、さまざまな企業活動をPRする活動のこと。基本的に、お金をかけずに、広く世の中に訴えかけていきます。例えば、昨年の東日本大震災では、建設関連企業が各地で復興支援に取り組みましたが、目立ったのは自衛隊の活動ばかりで、建設各社が話題になることが希少でした。「建設業界の広報はどうなっているのか?」という指摘も仕方がないでしょう。そこで今号の特集は、これからの建設企業の広報のあり方を考える「建設企業の実践的広報」を取り上げます。巻頭では、日経BP社建設局長の宮嵜清志氏に、建設業の広報における課題と実践的手法、考え方のヒントなどを伺いました。

すぐにできる企業広報の強い味方「広報ブログ」のススメ


 最近「ソーシャルメディア」という言葉をよく耳にします。これはブログ、ツイッター、フェイスブックなど、インターネット上で誰もが参加可能な情報発信を用い双方向でコミュニケーションが広がるよう設計された仕組みのことです。個人のコミュニケーションツールとしての利用の他、企業経営において「広報手法」としても利用されています。中でも「ブログ」は団体や企業の広報で広く活用されており、建設業での利用も少なくありません。
 ブログが広報に活用されやすい理由には、広報活動を始めるための手間や専門的なノウハウが必要なく、誰もが簡単にインターネット通じて多くの人に情報発信ができることにあります。ユーザーがこれらの情報をキャッチするためのインターネットという手段が身近にあることも、ブログが広報に活用されやすい要因の1つです。

1209_01_tokusyu_10.jpg

継続はチカラなり

 手法はどうであれ「広報が地道な活動」であることに変わりはありません。週に1〜2回でもブログの更新を続けることに意義があります。お客様があなたの会社を思い出しブログを見に来てくれても、半年前から更新がされていないブログでは寂しいものです。企業がいつも変わらず活気づいていることを周知させるためにも、継続的に情報発信をすることが大切です。
 継続的に…とは言っても「なにを書けばいいの?」といった読者のために、本誌では「広報ブログのポイント」を伝授します。
 

誰が書くの?

1209_01_tokusyu_13.jpg 一般的に広報は、企業の情報発信における危機管理が重要であるため、広報部、広報担当者など特定の人が任されているケースが多いでしょう。しかし、「広報ブログ」は従業員の方にぜひ書いていただきたい。ブログの名前もユーモアを感じられるものを考えて。

 ブログの場合、対象となる社内従業員や取引先、お客様の反響がすぐに分かるため書き始めると意外と楽しいものです。ただ、向き不向きがありますので文章を書くことが好きな方やブログをやり慣れている若手社員に書いてもらうのがベストです。

 

何を書くの?

1209_01_tokusyu_14.jpg 日々の生活に必要な道路、橋、水道、ガスなどのインフラ。誰が作り、修繕しているかをご存じない近隣住民の方も多くいます。企業の仕事を理解いただくためにも、施工状況や実績を書き綴るのも有効です。発注者や施主がある場合は双方同意のもとでの情報公開を心掛けましょう。

 

始めてみよう!

 インターネットで検索すると様々なブログサービスが提供されています。気軽に始められるサービスが多いので是非とも活用してください。また自社でホームページを持っておりレンタルサーバを利用している場合は、サーバ会社でブログサービス提供してることがあるので、まずは問合せてみましょう!
 企業に様々なメリットをもたらす「広報ブログ」は、いま広報の有効な手段のひとつとして広まりつつあります。まだブログを始めていない企業の方もこういった観点から一度ブログの開設を考えてみてはいかがでしょうか?

知っておくべきこと

 広報ブログにはメリットばかりではありません。もちろんリスクの存在も理解しておく必要があります。会社の機密情報を暴露してしまい訴訟になるケースもあります。また、ブログで社員を紹介する際も個人の名誉を傷つけるような内容には十分に注意し、双方同意の上での情報発信が必要です。
 インターネットにおける個人権利保護と表現の問題は情報通信法の整備が進められていますが、現在もインターネットサービスを利用する人のモラルで支えられていると言っても過言ではありません。
 ブログの内容は従業員とお客様のみならず、世界中に公開されているということ、「企業の顔」である自覚と自制を持っての利用を心がけてください。


 

オススメのブログ

1209_01_tokusyu_15.jpg

重松建設ブログ 重松建設株式会社
http://shigematsugroup.blog110.fc2.com/
 日々の業務内容から社内でのささいな出来事
まで、企業に興味がある人や周囲の関心を企業
に向けることができます。
 また社員への訓示は、数少ない社長メッセー
ジを発信する貴重な機会でもあります。
1209_01_tokusyu_17.jpg

1209_01_tokusyu_16.jpg

コガブロ 株式会社 小金澤組
http://koganezawagumi.blogzine.jp/kogablo/
 情報を発信するだけでなく、企業の近況や取
り組みを書くことで企業の社風を伝え、近隣住
民やお客様に親近感を持たせることができるの
も広報ブログの特長です。

1209_01_tokusyu_18.jpg

 




































書き手が変わればブログも変わる

1209_01_tokusyu_19.jpg

松本社寺建設のお母さん日記
http://d.hatena.ne.jp/shajimatsu/
 松本社寺建設のお母さん(棟梁奥さん)が、
宮大工の話、伝統建築のこと、道具や様式、鎌
倉の生活などを紹介しているブログ。

1209_01_tokusyu_20.jpg

箕面市役所 新人奮闘記!
http://blog.goo.ne.jp/minoh_rookies
 箕面市役所の新人職員が、奮闘の日々をブロ
グにしている。新人職員だから語れる率直で元
気あふれる内容。

 

ページトップ

最新記事

  • 建設企業の実践的広報

    建設企業の実践的広報

    広報とは宣伝(ポスター、チラシ、CMなどの広告)と異なり、さまざまな企業活動をPRする活動のこと。基本的に、お金をかけずに、広く世の中に訴えかけていきます。例えば、昨年の東日本大震災では、建設関連企業が各地で復興支援に取り組みましたが、目立ったのは自衛隊の活動ばかりで、建設各社が話題になることが希少でした。「建設業界の広報はどうなっているのか?」という指摘も仕方がないでしょう。そこで今号の特集は、これからの建設企業の広報のあり方を...続きを読む

  • 金融円滑化法の期限切れへの建設企業が取るべき対応について

    金融円滑化法の期限切れへの建設企業が取るべき対応について

    「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」(平成21年法律第96号。以下「金融円滑化法」といいます。)が平成24年度末に期限切れとなります。金融円滑化法対象の金融債務を有する企業においては、金融機関から引き続き円滑な資金調達を行っていくためにも、早い段階から実抜計画(実現可能性の高い抜本的な経営再建計画)の策定等により計画的に経営改善を進めて...続きを読む

  • 建設産業の再生と発展のための方策2012

    建設産業の再生と発展のための方策2012

    国土交通省 土地・建設産業局 建設業課

    建設産業が置かれているかつてない厳しい状況等を踏まえ、平成22年12月より有識者委員による国土交通省建設産業戦略会議(座長:大森文彦弁護士・東洋大学法学部教授)が開催され、平成23年6月に「建設産業の再生と発展のための方策2011」が提言されました。そして、建設産業が持続可能で活力ある国土・地域づくりの担い手としての役割を果たしていけるよう、建設産業のあり方について更なる検...続きを読む

  • 建設産業の電子商取引

    建設産業の電子商取引

    株式会 本間組 安全品質環境部 ISO室 渋井 室長
    株式会 本間組 管理本部経営 企画部 情報システム課 吉川 課長
    株式会社 土屋ホールディングス 総合企画部 次長 兼 システム課 柴田 課長
    安藤建設 株式会社 社長室情報企画部 森田 部長
    安藤建設 株式会社 社長室情報企画部 西村 副部長
    鹿島建設 株式会社 建築管理本部 建築調達部 平野 部長
    鹿島建設 株式会社 建築管理本部 ITソリューション部 渡辺 部長

    我が国の建設産業は、建設投資の低迷、建設業者数と建設投資のバランスの崩壊など、市場の大きな構造変化の中で、受注の減少、利益率の低下などにより、従来にも増して厳しい経営環境に直面...続きを読む

  • 経営多角化の現状と課題

    経営多角化の現状と課題

    建設企業のための経営戦略アドバイザリー事業 南関東エリア統括マネージャー 中小企業診断士  藤原 一夫 氏
    1000年の森を育てる地域支援資源活用事業組合 事業管理者:宮沢建設株式会社
    株式会社大同ポリマー 吉田 幸治 社長

    建設市場(従来型の新設・新築工事)の縮小が進む現在、建設業各社にとって苦難と挑戦の時代が続くことになるだろう。同時に、新分野進出に活路を求める企業はこれからもどんどん増えていく。...続きを読む

最新記事一覧へ