基金の活動

第18回建設業経営者研修のご案内

若年者の確保・人材育成をテーマに「第18回建設業経営者研修」を開催

(一財)建設業振興基金 構造改善センター

 当基金は2月10日に東京都中央区の浜離宮建設プラザにおいて、建設業経営者、後継者、経営幹部を対象とする「建設業経営者研修」を開催しました。全国各地から例年を大きく上回る60名にご参加いただき、18回目となる今回は、「若い力が会社を変える、活力ある組織と経営のあり方を探る」と題し、建設産業において喫緊の重要課題である若年者の確保・人材育成をテーマに講演とパネルディスカッションを行いました。

 

 

パネルディスカッション

○「斜め」と「本音」でアプローチ

■太田氏:
 それから離職との関係で私が感じているのは、職場の中で斜めの関係が減っていることです。つまり上司と部下といった縦の関係や、同期生としての横の関係はあるのですが、先輩と後輩の関係はずれていると思います。私は以前役所にいたことがありますが、昔はどこの職場でも兄貴分、姉御肌の人がいて、口は悪いけれど優しいという人がいましたね。若い人の拠り所になる人がいたのです。「先輩が減っている」ので、この関係がずれているのだと思います。今の若い社員は子どもの頃から兄弟にもあまり揉まれていませんし、喧嘩をすることもなく、地域で遊んだこともないので人間関係が希薄なんですね。人間関係を処理する力があまりない。これは若い部下だけではなくて、先輩社員もそうだと思います。これからは上司が縦だけではなくて斜めの関係も果たさなければならないのではないでしょうか。父親や母親、兄貴や姉のような接し方が今必要だと思っています。
 それから、私は大学で就職員もしているので、就職説明会での話を聞くことがあるのですが、建前論が横行しているように感じます。本当に聞きたいことは聞けないんですね。会社の方は「うちの会社はこんないいことがありますよ」といった話ばかりで、学生も本音を言うとマイナスになるのではないかということで聞きたいことは聞けない。「残業はどれだけか」、「有休は取れるのか」など。「入ってみたら全然違った」ということがあるのです。ですからもっと本音の話をしてあげたらいいと思います。たとえば中小企業なら、中小のメリットを話すのです。「大企業と違って転勤もないよ!早く部長になれるかもしれないし、場合によっては自分で会社を起こすことだってできるよ」など。そうすればもっと会社に魅力を感じて入ってくる学生も増えるのではないかなという気がします。
■内田理事長:
 ありがとうございました。豊田さんからは離職率は、学校の教育方針、育て方によって大きな差があるというお話がありました。学校の先生に、建設業界から「こういう子を育てて欲しい」だとかそういうことを言っていくことも意味があると思いました。坂川さんからは工夫をすれば、中小建設企業でも、しっかりと就業の場面で手ごたえを感じることができるということ、そのためには自分の会社の特色を上手に説明できるスキルを磨かなければならないというご指摘だったと思います。永井さんからは「みんなで成長するという会社の雰囲気をつくる。それが若者を育てるのではないか」という実践をふまえてのご紹介だったと思います。福井さんからは「今の若者には戸惑うことがある」というお話だったと思うのですが、きちんと動機づけをしてあげることで動くんじゃないかというようなお話だと思います。太田先生からは「子どもたちは社会の仕組み、システム、会社の中の人間関係などの反映だから、そこから変えなければならない」というご指摘であったのではないかと思います。

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○工業高校の現状と展望

■内田理事長:
 続いて、色んな側面を持った若者たちを一人前に育てていくための具体的な提言として、職業高校の展望を開くような政策等ございましたらご提示ください。
■豊田氏:
 まず高等学校の生徒数の推移ですが、「高校生」と呼ばれる生徒は約330万人います。そのうち普通科高校の占める割合が最近多くて、72.4%(約240万人)。残りが専門高校や総合学科高校、その他の学科高校です。そのうち工業高校(工業科)の生徒数は7.9%で、毎年の卒業生数は約26万人。学校によって機械、電気、建築、設備工業とわかれますので、建築、設備工業、都市工学、土木といった建設業に携わる学科を設置している学校はもっと少なくなります。専門高校はお金がかかりますから、財政面が厳しい中で行政は普通科高校を増やしていったという側面もあるのではないかなと思います。また新たに設置する学校については、工業科を少なくするのではなくて、大きな母体である普通科高校のなかに工業科を設置し、特色ある学校づくりを行い、産業界を担う若者が育つような環境づくりをするべきと考えています。とは言えすぐにとは行きませんから、我々も声を大にして呼びかけていくつもりです。また、小学校や中学校でのものづくり体験が年々少なくなってきています。中学校の技術・家庭の科目についても、私たちが習った頃より半減しています。今はITの時代ですからパソコンが重視されていて、その影響もあってものづくりはおろそかになっています。教員の構成については、中学校でも授業時間の関係で教員を確保できず、講師で対応していることも多いようです。技術科か家庭科かどちらかの教員しか雇えず、技術は講師として雇う学校も大変多いそうです。中学校でものづくりを学ぶ機会が少なくなっています。現在では各工業高校でインターンシップを行っており、企業の皆様の協力を得て3~5日、一緒に仕事を体験させていただいています。大変ご迷惑かと思いますが今後も続けていただければと思います。また、文科省では、デュアルシステムの導入を推進したいと考えています。デュアルシステムはインターンシップのように3~5日ではなく、週に一回の企業内実習を長期間行うシステムです。東京では六郷工科高校がデュアルシステムを1クラス設けていて、中小企業の皆様とともに取り組んでいます。学校によっては希望者のみデュアルシステムを取り入れているところもあります。そこで、学生と企業の思いがマッチすると、採用ということもあります。今後増えていくと思いますがよろしくお願い申し上げます。
 建設産業に若者を取り戻すには、まずは興味を持たせることが大変重要だと思います。福井様より広島建設アカデミーの話もありましたが、本校でも昨年からプロの職人から技を学ぶ取り組みを開始しました。プロの技を前にして、生徒も非常に興味を持ち取り組んでいます。今後も積極的に授業の一環として取り入れていきたいと思っています。一口に建設業といっても様々な業種がありますので、インターンシップ等を通して少しでも多くの体験をさせてあげたいです。富士教育訓練センターで資格に伴う技能講習をさせていただいています。これからも学校側と企業の皆様と連絡を取り合い、良い教育ができればと思っています。
 学校では、教員による企業訪問や卒業生との懇談を踏まえながら、色々な情報を生徒たちに提供しています。現場の状況を生徒たちに具体的な話ができれば、生徒の参考になると思っています。企業の皆様も「良い人材を」と思っているでしょうし、教員も「良い生徒が入ってくれれば」と思っていますから、悩みは同じだと思います。学校も色々なアクションを考えています。お互いが手を取り合いながら進めていければと思っていますので今後ともよろしくお願いいたします。
■内田理事長:
 ありがとうございました。教育の現場から具体的なご提案がいくつもあったと思います。先ほど福井さんから「自分たちの教育システムを他の地域でもどんどん進めてもらいたい」というお話がありましたが、さらにこんな風にしたらというようなご提言をお願いします。
■福井氏:
 少子高齢化の話がありますが、これは今に始まったことではなく、1970年代には、こうなることは既にわかっていたことなのです。わかっていて何もしてこなかっただけなのです。5年後のことを見ようと思ったら、今の中学2年生を見ればわかります。今まで一番働き盛りの人たちが何人も辞めていきましたが、それは我々の業界の条件があまりに悪いからです。真剣に考えないとこの状況は変わりません。確かに富士教育訓練センターは素晴らしいですが、遠方からはなかなか行きづらいと思います。ぜひ訓練施設を各地区につくっていただきたいです。
 私がどうしても言いたいのは、社会保険未加入業者排除の問題です。わたしは高校でも話をしていますが、社会保険のない会社を学生には勧めません。当然です。自分の息子をそんな会社には入れたくありません。戦前・戦後から変わっていないのはこの問題だけです。この問題の解決だけで若い子の、そして親御さんの建設業への考え方も変わるのです。そこだけは皆さんの頭においていただいて、ぜひ若い子に目を向けていただけたらと思います。
■永井氏:
 やはり将来が見えないというのは不安だと思います。この業界は将来安心だという道筋を、国策も含めて示していただけると学生も、我々も、将来を描けるのではないかと思います。もうひとつ、学校教育においては、もちろん受験教育も大事ですが、しかし「将来こんなことができる人間になりたい」と自分のやる気にスイッチが入るような機会をもっとつくっていただき、自分の可能性を感じながら入職する環境をつくれればいいなと思っております。
■太田氏:
 現場の人を見ていますと、学歴はなくても優秀な技術者や技能者はたくさんいます。そういう方を社会的にもっと認めるような制度、マイスター制度もありますが、もっと権威のあるものをつくっていってほしいと思いますね。結局は大学教育を受けた方が有利になるようなシステムが残っていますから、実力勝負のシステムをつくった方がいいのではないでしょうか。先ほど就職に関するミスマッチのお話や、本当の意味で知りたい情報が得られていないとお話ししました。たとえばOBが大学を訪問して説明をするなど、人事担当者などではなくもっと身近な、「数年前に卒業したお兄さん」的な人からお話を聞ける機会を増やしたり、会社の見学会で実際に働いている姿を見てもらったり、あるいは相談窓口を常設するなど、学生や学校の先生、親御さんが気楽に聞けるような窓口があればいいと思います。
■坂川氏:
 永井さんの「経営者として将来が見えないのに若者を採用するのは難しい」というお話はその通りだと思います。「2020年の東京五輪まではある程度見通しが立つが、その先が見えないから採用しづらい」というお話はよく聞きます。今、国土交通省が行なっている担い手の確保のサイクルは、短期間のスパンではなく「いずれ必ず構造的に人が足りなくなる」という危機感の下で動いています。明らかに団塊の世代の方が多くて若い世代が少ないので、確実に需給バランスが崩れるということです。外国人労働者の活用をすすめようという話もありますが、私はその前に日本人の職人の給料を上げた上で外国人労働者が入ってくるという形にしなければならないと思っています。外国人労働者を雇えば安い労働力が入ってくることになると思いますので、そうなる前にしっかり日本人の給料を上げておく必要があります。
 また、建設業の仕事は外でやっているわりに、住民の方々にはあまりよく見えていません。囲いの中で何をやっているのかわからないのです。思いきって透明の囲いにして、中を全部見せてしまうような企業が出てきてもいいのではないでしょうか。一歩踏み出すことによって世間の方の我々を見る目も変わっていくと思います。
■内田理事長:
 豊田先生からは「工業高校が減っている中、一生懸命やっているのだ」というお話がありましたが、ひょっとして「業界の側から、工業高校の生徒を採用する」後押しが必要だとおっしゃっていたのかなと思いました。永井さんからは「若者にちゃんと将来を見せてあげる」というお話でした。これは経営者の決意に関係するお話でもあるでしょうし、公共工事の在り方にも関わってくる問題だなと思いながら伺いました。太田先生からは、「額に汗する人が報われる仕組みをつくるべき」とのお話でした。そうやって見ると、たとえば施工管理技士の技術検定では、必要な実務経験の年数が、大卒の方が早く資格を取れるように設定されています。本来、高卒の子の方が実務経験は長いわけですから、もっと早く資格に挑戦できるような仕組みがあればいいと思います。坂川さんからは「まさに時が来ている」、福井さんからも「今自分たちが決断しなければいけない」というお話でした。

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○Q&A

■内田理事長:
 それでは後半は、参加者の皆さんからいただいたご質問を紹介しながら進めて参ります。

Q. 豊田さんへ:工業高校でも将来すぐに役立つような教育をしていただけないか
A. 将来役立つような教育をしています。ですが業種が多岐にわたりますので、すべての業種にお応えするのは不可能だと思っています。工業高校では時間的な制約もありますから、実技はすべてというわけにはいかないのです。建築、土木都市工学など学科によって取り組む実技内容も異なりますので、実技の習得につきましては富士教育訓練センターおよび広島建設アカデミーといった場を活用させていただいて、深めていけたらと思います。
 学校では全国的に技能検定を目指して授業しているところが多くなりました。企業の皆様から「こういう資格や技能を持った生徒が必要」という声を発信していただきたいです。私たちが教育内容を考えるきっかけにもなりますので、よろしくお願い申し上げます。

Q. 太田さんへ:個人責任の明確化という考え方は建設業では馴染まないのではないか。また「異なるメンバーと一緒に仕事をさせる」ための具体的な方法とは
A. 個人責任の明確化が馴染まないというのは、確かに業種の特徴だと思います。私が色々なところで聞き取りをすると、日本ではあまり若い人に仕事を任せないのですね。細かいことでも上司に相談してOKをもらうし、決裁も大変複雑です。これが責任の所在を曖昧にし、若い人が責任感を持ちにくいということにつながっています。思い切って任せたところに話を聞くと、大学を出たばかりの若い子でも、責任感と意欲をもってやり遂げるそうです。同様の例はたくさん知っています。
 また、今まで数人でやっていたことをコンサルタント1人に任せてしまうことで能率が上がったという話も聞きます。能率的に仕事ができればモチベーションも上がりますし、そういう意味でも個人責任を明確にするという道もあるのかなと思っています。地域担当という考え方もあります。あるいは、ひとりひとりの仕事を見えるようにして「どの仕事をどれだけやっているか」わかるようにする。その他にも、会社のパンフレットやホームページといった外部向けのものに載せてあげるだとか、「仕事の見える化」はそういった面からも可能です。
 「異なるメンバーと一緒に仕事をさせる」というのは、今流行りのダイバーシティです。たとえば中途採用や非正規社員、外国人とも一緒に仕事をさせるのです。そうするとギクシャクするのですね。そこから新しいものが生まれてくる。見直した方がいいところなども表に出てきて、長期的に見るとすっきりしたという話も聞きます。

Q. 永井さんへ:勉強会のお話をもっと具体的に教えてほしい。また新卒者の採用はどうなっているのか。
A. 勉強会の苦労話ですが、当初は強制参加ということでやっていました。そうすると「なんでこんなことをやらなければならないのか、早く終わらないかな」といった発言もあったりして、場の空気が非常に悪くなるのです。途中で強制参加をやめて自由参加にしました。すると本当に来たい人しか来ないので、大変いい空気になりました。参加したメンバーからも「出てこないメンバーにも参加してもらいたい。そういう会社にしていきたい」という声も聞こえるようになりました。今は他社も招いて一緒に勉強をしています。勉強会終了後に感想を聞くと、「永井さんのところのような社員さんを、うちにもぜひ欲しいですね」と言っていただいたりして、実は勉強会開始当初はあまり成長している実感が持てず不安もあったのですが、「自分たちも成長しているんだな」と周りの方々から気づかせていただきました。
 長年新卒採用していなかったのですが、去年一昨年と各一名、大卒者を採用しました。この4月には大卒者3名と高卒者1名の計4名採用することになっています。29名という少ない会社で4名採用するというのは非常に大きいものですが、これは「新卒を入れて会社を成長させていくんだ!」という社長の意思表明でもあります。そのメッセージが今いる社員にも伝わるので、やはり新卒採用というのは会社をすごく元気にさせるし、大事だなと実感しています。

Q. 内田理事長へ:この時期に人を雇うという決断をして本当にいいのだろうか。
A. 仕事がずっと増えていくのかどうかはっきりとはわかりませんが、経営者が先を見据えた上で判断を下すための環境は整いつつあると思っています。これから公共工事の主力は2つになると思います。ひとつは維持更新で、もうひとつは国土強靭化への対応です。この2つに共通しているのは、長い期間をかけて計画的にやっていかざるを得ないということです。維持更新について今総務省が地方の公共団体向けの指針を用意しているとの報道がありました。それによるとこの指針には「10年以上の長期計画にしてほしい」「数値目標を入れてほしい」という点が盛り込まれるのではないかということです。まさに建設業界が待ち望んでいた状況ではないでしょうか。
 それからこれが一番大きいことだと思いますが、今ここにきてようやく、元請け業界も下請け業界も、公共発注者も行政の側も皆「建設業界の若者不足をなんとかしないといけない」ということで目線が一緒になっています。こうした状況は、今までなかったことです。

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○若者が夢を託せる産業へ

■内田理事長:
 それでは、最後に一言ずつお願いします。
■坂川氏:
 理事長がおっしゃいましたが、維持更新投資や国土強靭化がひとつの軸になるのではないかなと思います。2020年以降に公共投資が極端に増えるとは思えないのですが、ある程度見通しの立つ経営ができるようになるのではないかなと見ています。社会情勢を見ながら、人や設備への投資を計画的に進めていただければと思います。今日はどうもありがとうございました。
■豊田氏:
 私たちも産業界の皆様とともに豊富な人材を育てていけるよう頑張っていきます。採用でよく大卒と高卒とを比較されることがあるのですが、卒業時に大卒は22歳、高卒は18歳です。この4年の差というのは人間性や社会性は結構大きいものです。18歳はまだ子どもなのです。その点を十分ご配慮いただきまして、これからの高校生の採用を1人でも多くお願いしたいと思います。18歳でも仕事の経験を重ねることによってずいぶん伸びる盛りですから、「この子とともに会社を成長させていく」といった身構えと視点で、今後も支えていただけたらと思います。本日はありがとうございました。
■福井氏:
 昭和45年に私の父がなぜ今の広島建設アカデミーの前身である学校をつくったかというと、人を育てるには時間とお金がかかるということでした。実は福井建設は平成15年に民事再生を申請しております。専門工事業ですからお客さんが発注してくれるかという問題がありましたから、一両日も待つことなくお客様は発注してくれました。それはこの会社は、金融的不安はあっても施工能力だけはある、とすべてのお客様が認めてくれ、そのまま継続してくださいました。
 それは当社が、長年人を育ててきた事を皆さんが知っていてくれたからです。一昨年なんとか10年かけて完済することができました。人こそ宝だと思っています。先ほど内田理事長がおっしゃっていましたが、ここまで国土交通省の方が我々末端の労働者のことまで考えてくださることは今までありませんでした。初めての時代ですので、ぜひとも若い子らの未来を開いていけたらと思います。今日はどうもありがとうございました。
■永井氏:
 このような場でお話させていただくような身分でもありませんので非常に恐縮ですが、今日ご紹介させていただいた当社の取り組みが少しでも皆様の参考になれば幸いです。もちろん、うまくいったことばかりではありませんので、この後の懇親会の席では皆様に、私の失敗体験などもお話させていただければと思います。よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。
■太田氏:
 学生に聞いてみますと、就職活動のときに初めて会社の幹部の人たちにお会いするわけですね。そのときに課長さんや部長さんを見て20年後や30年後の自分を思い浮かべるそうです。そこで「やっぱりやめようか」、「入りたい」などと決めていて、会社の人をロールモデルとして見ているのです。ですから若者がますます「こんな人になりたい」と憧れるような経営者、管理職になっていただければと期待しています。
■内田理事長:
 建設業界に若者を取り戻すためには覚悟も必要ですし、目をかけ手をかけ一人前になるようしっかりサポートしていかなければなりません。それこそ一生を引き受けて、一生をサポートするといった覚悟が必要なのではないでしょうか。わたしからも是非、皆様にお願をいたします。
 私ども建設業振興基金では昨年の暮れに「建設産業の人材確保育成方針」という政策提言をまとめました。各地域・各団体で取り組んでおられるいろいろな経験を集め、そして多くの関係者の知見を集め、全国に発信していく協議会を立ち上げるため、国交省とご相談しています。ここで提案された先導的な取り組みを最初に実践していく拠点として、富士教育訓練センターを拡充していきたいと思っています。富士教育訓練センターには、先ほどネットワークというお話がありましたが、全国の訓練校、工業高校、専門学校、こういうところと実践的に組んでいくような機能、連携のシステムをつくりたいと思っています。今日いただいたお話は提案と実践機能からなる中核的センターの中で議論し、具体的な形にして広めていく取り組みをしたいと思っておりますので、いろんな場面でのご参加、ご協力をお願い申し上げましてパネルディスカッションを終了したいと思います。ご協力ありがとうございました。

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