歴史資料

日本の高層ビルの歴史を探る

現在、日本一の高層ビルといえば2014年に誕生した大阪の「あべのハルカス」ですが、実は120年以上前の大阪にも日本一の高層建築物があったことはご存じでしょうか? 今回は、その"幻の高層建築物"を紹介するとともに、日本の高層ビルの歴史を振り返ってみましょう。

 




高層ビルは大阪が発祥だった!?
 


 
阪に存在した2大高層ビル

 1888(明治21)年、大阪府西成郡今宮村(現在の西成区の北東部)に"ミナミの5階"と呼ばれた「眺望閣(ちょうぼうかく)」が建設されました。高さ31mの頂上からは遠く淡路島まで見渡せたと伝えられ、当時としては破格の高さであり、まさに「日本一」の高層建築だったそうです。さらにその翌年に「眺望閣」と競うようにして北野村(同北区・茶屋町)に建てられたのが、高さ39mの通称"キタの9階"「凌雲閣(りょううんかく)」。当時の大阪は、高層建築の最先端を走っていたといえるでしょう。

層ビルの競争時代へ

 しかしその1年後、東京都浅草に同じ名称の「凌雲閣」が誕生。高さ50m、12階建てのこのビルは関東大震災で倒壊しましたが、以降、日本の高層建築は海外技術の導入やそれに自己開発を加えて改良・改善が行われ、技術的に飛躍的な向上を果たします。それとともに「日本一」の座は首都・東京や横浜などの関東勢が独占。およそ120年という長い時間を経た2014年、あべのハルカスが完成し、ようやく大阪が「日本一」の称号を取り戻したのです。

 
さ「日本一」のビルの変遷

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