お役立ち・支援

技術マッチングDatabase事例

建設現場で「危険」や「困ったこと」を解決するためのアイデア満載の製品づくり

有限会社シンク・フジイ

1211_10_matching_07.jpg

技術士(地質及び基礎) APECエンジニア 代表取締役社長 藤井 三千勇さん

 建設業のほか、土木コンサルタントとして土木測量・調査・設計を主に手掛けている株式会社藤井基礎設計事務所(島根県松江市)。そのグループ会社として1987 年に誕生したのが、今回ご紹介する「有限会社シンク・フジイ」だ。同社は、建築現場や土木工事の現場で発生するさまざまな“危険”や“困ったこと”を解決するためのアイデア満載の道具を製品化し、世の中に提供している。その製品の多くは「しまね・ハツ・建設ブランド」で実証フィールド工事技術に登録されている。今回は、登録技術である、重機向け安全管理補助器具「ばか騒ぎ」、地盤監視警報システム「DCのび太安全管理システム」、標準貫入試験自動記録装置「勘太(かんた)」を紹介したい。

技術士(地質及び基礎) 取締役 技術部部長 藤井 俊逸さん

 なお、この制度は、県内の建設業者及び建設関連業者が開発、施工または製造する新技術を募集し、「公共工事に活用できる技術であるか」について評価を行った上で、「しまね・ハツ・建設ブランド」として登録を行い、県が発注する公共工事などにおいて、活用機会の拡大が図られるよう、積極的に技術の情報提供を行うものだ。

■会社概要
会社名 有限会社シンク・フジイ
所在地 〒259-1304
〒690-0011 島根県松江市東津田町 1349
株式会社藤井基礎設計事務所 内
TEL:0852-23-8454
TEL 0463-26-6550
創 立 昭和62年6月

 

http://www.yoi-kensetsu.com/match/jirei/035-01.html

騒音振動遠隔監視システム「雲太(うんた)」

工事環境の保全を確保するシステム。
離れた場所でも騒音・振動のリアルタイム確認が可能で、管理基準値を超えた場合の警報も自動化。
http://www.yoi-kensetsu.com/match/jirei/035-01.html

技術の概要

インターネット観測による騒音・振動レベルの管理方法

 インターネット回線を通じて土木工事現場における騒音・振動のデータを蓄積するとともに、現場の管理者やオペレーターなど、工事関係者にリアルタイムで提供するシステムである。現場近くにある住宅地などに設置した騒音計、振動レベル計、パソコンなどからなる「観測BOX」で常時現場の状況を観測し、そのデータをサーバーに送信、さらに工事関係者のパソコン、携帯電話などに配信されるという仕組みとなっている。工事現場から離れた場所であってもつねに状況がモニタリングでき、管理基準値を超える観測値が生じた場合は自動的に警報を発する機能も備わり、騒音・振動の環境基準遵守・維持のための対応がスムーズに行なえる。

 受信端末としてパソコン・携帯電話が使用できるほか、重機オペレーター向けに携帯タイプ、腕時計タイプの「お知らせ装置」が用意されている。前者はフラッシュライトと音もしくは振動で、後者は音もしくは振動で基準値超えの警報を発するもので、オペレーターの“勘”を養うのにも役立つ。

 

http://www.yoi-kensetsu.com/match/jirei/036-01.html

「DCのび太」安全管理警報システム

危険な場所に設置したセンサーが地盤変位などのデータを無線で送信、土砂災害の予兆があれば自動で即時に警報を発するシステム。
http://www.yoi-kensetsu.com/match/jirei/036-01.html

技術の概要

「DCのび太」安全管理警報システム例

 地すべりやがけ崩れの予兆をとらえるには、それが起こりそうな場所に伸縮計や雨量計、歪計などの計測器を設置して地盤の状態を監視し続ける必要がある。従来は観測者が定期的に計測器の設置現場に記録を見に行く必要があった。災害が予想される現場に行くために、当然のことながら大きな危険を伴い、また、複数の現場に何度も足を運べば人件費もバカにならない……。

 

 

 

 

観測側通信機(左下)とマルチロガー(左上)、右は伸縮計

 そこで同社は、危険な場所に設置された計測器のデータを無線で安全な場所まで送り、そこでデータを収集し、必要な警報を発令する システムを考えた。それが、地盤監視警報システム「DCのび太安全管理システム」だ。同システムは、地すべりやがけ崩れなど土砂災害のおそれのある場所の地盤計測データを、無線やインターネットを介して安全な場所にあるパソコンや携帯電話でモニタリングし、作業現場や関係者に警報を発令するシステム。その観測データは、複数の観測地点のデータを離れた場所で安全に、しかも低コストで分析することができる。

 

 

http://www.yoi-kensetsu.com/match/jirei/036-02.html

重機向け安全補助器具「ばか騒ぎ」

現場作業者が持つリモコンと重機に取り付けた警報装置で、お互いの接近を確認、重機と周辺作業者との接触事故を防ぐシステム。
http://www.yoi-kensetsu.com/match/jirei/036-02.html

技術の概要

重機向け安全補助器具「ばか騒ぎ」の使用方法

 工事現場では各種重機が稼働しているが、「オペレーターと作業員の意思疎通が図りにくい状況が災いして」重機と作業員の接触事故が後を絶たない。そこで、同社が考えたのは、作業員が携帯したリモコンを押すと重機内でサイレンが鳴り、これに気づいたオペレーターがサイレンを止め、重機に取り付けたパトランプが点灯するという仕組みで、作業員・オペレーター相互の意思疎通の確認が徹底される安全管理補助器具。大きなサイレンの音で危険を知らせることから「ばか騒ぎ」と命名した。

 さらに、この「ばか騒ぎ」に会話機能や自動検知機能を追加した上位機種として、「ばか騒ぎ-TR」を開発。作業員が持つ子機と、重機内に設置された親機との間で双方向の通信が可能で、グループ会話を交わしたり、緊急時に一斉警報を発したりもできる。

ばか騒ぎ-TRを使えば

 

 

技術マッチングDatabase お問い合せ窓口

http://www.yoi-kensetsu.com/match/技術マッチングDatabase web site

技術マッチング支援事業
建設企業独自の技術やノウハウを登録したデータベースでご紹介。
http://www.yoi-kensetsu.com/match/

ノウハウ・アドバイス支援事業
建設工事に関する課題解決を専門家がサポート。
TEL.03-5473-4572
(開設時間/午前10時〜午後5時)
http://www.yoi-kensetsu.com/match

 

ページトップ

最新記事

  • 経営に活かす管理会計 第10回|管理会計の利用と人材育成の方法を変える

    経営に活かす管理会計 第10回|管理会計の利用と人材育成の方法を変える

    中小企業診断士・社会保険労務士 手島伸夫

    競争の時代には、戦略的に№1になることが重要になります。市場では、価格と品質が良い1社しか受注できないからです。したがって、自社の「強いところ」をさらに強くして№1になるように経営資源を重点的に投下する「選択と集中」が重要になります。...続きを読む

  • 経営に活かす管理会計 第9回|建設企業の資金管理

    経営に活かす管理会計 第9回|建設企業の資金管理

    四国大学経営情報学部教授/㈱みどり合同経営取締役 藤井一郎

    資金管理とは具体的にどのような活動なのでしょうか。『ファイナンス戦略』などと言われる資金調達手法の検討、投資効果の話を聞く機会が多いかもしれません。もちろん、それも正しい考え方の一つですが、...続きを読む

  • 金融支援事業の利用事例

    金融支援事業の利用事例

    金融支援事業のメニューである「下請セーフティネット債務保証事業」「地域建設業経営強化融資制度」などは、それぞれに利用メリット等の特徴があります。本頁では、制度をご利用いただいている企業および団体に制度利用の背景などについてお話を伺いました。...続きを読む

  • 金融支援事業

    金融支援事業

    国土交通省 土地・建設産業局 建設市場整備課 建設市場整備推進官 後藤 史一氏
    聞き手:建設業しんこう編集部

    建設業振興基金は、昭和50年、中小建設業者の金融の円滑化や、経営の近代化、合理化を推進し、建設産業の振興を図る組織として設立され金融支援事業の一つである債務保証事業はこの時スタートしました。...続きを読む

  • 経営に活かす管理会計 第8回|マネジメント・コントロール ―部門業績と組織業績の斉合性―

    経営に活かす管理会計 第8回|マネジメント・コントロール ―部門業績と組織業績の斉合性―

    慶應義塾大学商学部教授 横田絵理

    大規模な組織になり、その中の組織単位(部門)に大きな権限委譲がなされればなされるほど、組織全体の目標と組織内組織の目標を同じ方向にすることが難しくなります。...続きを読む

最新記事一覧へ