人材確保・育成

FOCUS

企業内職業訓練やソフトボール部の活動支援により 人材育成・コミュニケーション強化を推進

 
㈱岩野商会 社長 岩野 彰 氏
本社所在地:長野市大字北長池2051/資本金:9,600万円/従業員数:380名

技術の平準化を目的に企業内職業訓練校を創設

 昭和55年、労働省(現厚生労働省)認定の「岩野高等職業訓練学園」を設立。平成元年には、長野県知事認可職業訓練法人「岩野建設専門技能訓練協会」とし、中央職業能力開発協会や長野県職業訓練開発協会との密接な連携のもと、現在「岩野建設専門技能訓練学園」として、長野・松本・金沢の3校で若い人材の育成に努めています。企業内職業訓練校創立の背景には、先代社長の「専門工事業者にとって技能は宝」「(社員として)定年まで勤めてもらえる企業に」という強い思いがありました。
 きっかけは、技能の平準化。バブルのころの職人は、仕事は早かったものの、技能レベルにバラつきがありました。レベルが平準化すれば、工期の平準化にもつながります。また、何の教育も受けさせずに新人をいきなり現場に出すのは危険という判断もありました。内装工事は刃物を扱う作業も多く、現場に出る前に安全に対する心構えなどの基本技能を一から教える必要がありました。

「岩野建設専門技能訓練学園」。建設分野で求められる専門技術を学ぶ労働省(現厚生労働省)認定職業訓練校


毎年2月に技能照査合格すると技能士補を取得

 長野、松本、金沢(支店内の訓練校)で、インテリアサービス科および防水施工科を設置しました。毎年4月に開校、翌年3月までの一年間職業訓練を実施します。授業は毎週木・金曜日、午前中は座学、午後は実技です。実技は校内の設備を使用しています。月曜から水曜日は、現場における実習を行います。卒業者数は累計で580人に上ります。
 学習の成果は、毎年2月に技能照査があり、合格すれば技能士補の資格が取得できます。年間経費は約300万円(平成26年度)。助成金は、キャリア形成促進助成金、建設労働者確保育成助成金、認定職業訓練助成事業費補助金等を活用しています。


処遇改善の推進と社内活動としてソフトボール部を設立若手の定着率向上に貢献

 若手技能者をいかに入職させ、定着させるか。ポイントは、業界の認知度向上と若手社員同士の横のつながり、コミュニケーションの充実と考えています。そのために、リクルート用DVDを制作し、関連学科のある高校へ配布しました。ネットにも掲載し、テレビ・ラジオのコマーシャルも放送しました。出演するのは当社の職人、アットホームな映像が好評です。これらがマスコミの話題となり、企業の認知度が向上。求職者本人だけでなくご家族からの応援も増え、平成27年4月の新卒入職者は12人、平成28年4月は10人程度を採用予定です。
 また、職員の処遇改善にも取り組んでいます。当社は、週休二日制、固定月給制を採用しており、賞与、退職金制度もあります。これらの成果か、当社の技能者は、将来、独立するよりも定年まで勤めたいとする者の方が多いようです。
 さらに、とかく孤立しがちな若手技能者の横のつながりとコミュニケーション強化、定着率アップを狙ってソフトボール部を設立しました。チーム名は「ロックフィールダーズ」。メンバーは若手中心です。昨年、北野建設㈱北和会主催第10回ソフトボール大会で準優勝しました。今年は優勝が最大の目標です。結果として定着率向上にも大いに貢献しています。

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