基金の活動

年頭の御挨拶

2015 年頭所感

一般財団法人 建設業振興基金
理事長 内田 俊一

 「建設産業に若者を取り戻す」この課題に行政、公共発注者、ゼネコン、専門工事業者、そして政治が、同じ方向を向いて共に取り組んでいます。これまで見られなかった新しい動きです。大きな成果が担い手三法の成立になります。昨年のこうした動きは、次へとつながる可能性の芽生えといえるでしょう。

 近年、これでもかと様々な災害がこの国を襲ってきます。そうした中で、国民は、暮らしの安全を守る建設産業の役割に気づき始めています。この期待に応えるために担い手をしっかりと確保し、育てていかなければなりません。これは、品確法で求められた受注者の責任でもあります。
 内閣府の調査によれば、若者達は、「一人前になって職場で活躍し、やりがいを感じること」を強く望んでいます。若者達の思いを受け止めるために、全国どこでも業種や規模に関係なく、しっかりした教育訓練を受けられる土台づくりが必要です。
 昨年、立ち上げた「建設産業担い手確保・育成コンソーシアム」は、各地で始まるこの土台づくりを応援するためのものです。一生を引き受け、一人前になるまでしっかりと育てる、そうした建設産業の覚悟と本気を形にしていく取組みを応援していきます。

 担い手を確保していくためには、他産業に負けない賃金を払い、休暇を保証し、教育訓練も受けてもらう、こうしたコストを負担できる経営基盤作りが次の課題です。
 品確法が求める適正利潤を確保できる発注価格や着実で計画的な公共事業予算の確保など経営見通しのきく建設市場づくりを国や自治体に粘り強く求めていく必要があります。

 とはいえ、今後、工事量の大きな拡大は望めません。受注した工事から確実に利益を出す経営努力が求められます。このため、建設業経理士の資格を持つ社員を増やすなど、原価管理、予算管理を徹底できる社内体制、現場体制を整備すること。また、経営者自身がこうした目で経営を見る能力に磨きをかけることが必要になります。建設業振興基金も経営者研修や税財務講習を充実させ、さらに建設業経理士検定試験・講習などの受験、受講機会を拡充するなど経営力強化を目指す取組みを応援していこうと考えています。
 長年言われてきた、「技術と経営に優れた企業」が生き残る、そんな時代がいよいよやってきます。経営者の真価が問われる一年になりそうです。

 建設業振興基金は、7月に創立40周年を迎えます。お役立ち度アップを加速し「信頼され、お役に立てる専門家集団」をめざして、今年も全力で取り組んで参ります。
 皆様のご商売の繁盛と、お一人お一人のご健康、ご多幸を心よりご祈念申し上げます。

平成二十七年元旦      
一般財団法人 建設業振興基金
理事長 内田 俊一

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