ここでは、重機の絵本と、土木建設に携わった人の歴史にまつわる絵本を紹介します。面白く、正確に伝えるイラストや文章は、子どもや読み聞かせをする保護者の方が、建設業への興味や仕事への理解を深めるのに役立つでしょう。
「土木の絵本シリーズ」全5巻は、土木の分野で優れた仕事をした人物を描き、自然や時代と関わった歴史をたどることで、土木建設の役割を知り、大切さを理解してもらうために企画されたものです。特に地球環境への細やかな対応が求められている今こそ、人と自然が共存共栄してきた長い歴史から学び、さらに自然をよく理解することがまず基本だと考えられます。科学や技術を進めるに当たって、このシリーズをこれからの人々と社会にぜひお役立てください。
第1巻 水とたたかった戦国の武将たち
武田信玄、豊臣秀吉、加藤清正
■ 発行年月 1997.2
戦国時代は、武将たちが全国各地で領土を奪い合う闘いの時代でした。強い武将は、領地の<治山・治水>にたくさんの費用と時間を費やし、技術を磨き、多大な労力をかける人もいました。戦争の合間になぜそんなことをしたのか、土木工学や歴史の研究に基づいて描き、謎を解きあかします。
第2巻 人をたすけ国をつくったお坊さんたち
日本の土木工事をひらいた人びと
武田信玄、豊臣秀吉、加藤清正
■ 発行年月 1997.10
古代、お坊さんは人々に仏教の教えを広めただけではなく、遣唐使とともに大陸に渡り、文化を導入して国づくりにも貢献しました。土木の仕事もその一つです。彼らが指導した土木技術は、現代にも大きな影響を与えています。お坊さんたちが土木の仕事を指導したのはなぜ? 土木工学や歴史の研究に基づいて描き、謎を解きあかします。
第3巻 おやとい外国人とよばれた人たち
異国にささげた技術と情熱
モレル、ブラントン、デ・レーケ、ケプロン
■ 発行年月 1998.11
長い鎖国のはてに国を開いた明治政府。目標は、一日も早く欧米の科学技術文明に追いつき、国を富ませることでした。近代化を具体的に道先案内する指導者として「おやとい外国人」が招かれました。中でも多くの土木技術者が必要とされたのはなぜ? 彼らは日本で何をし、何を残してくれたの? 土木工学や歴史の研究に基づいて描き、謎を解きあかします。
第4巻 近代土木の夜明け
日本人技術者の努力と自立
井上勝、古市公威、沖野忠雄など
■ 発行年月 1999.9
おやとい外国人の指導で近代土木技術へのスタートを切った明治政府。優秀な日本人をリーダー候補として外国に留学させたり、技術者教育機関で育成しました。近代土木のパイオニアはあふれる熱情と自覚をもって学び、近代国家日本の基盤を整備。社会発展の原動力となりました。なぜ、彼らが日本を独り立ちさせ、技術を定着させられたのか。土木工学や歴史の研究に基づいて描き、謎を解きあかします。
第5巻 海をわたり夢をかなえた土木技術者たち
青山士、八田與一、久保田豊
■ 発行年月 2002.3
広井勇は、明治時代、日本の近代土木を確立したパイオニアの一人です。東京大学土木工学科教授としても優秀な人材を送り出しました。師の薫陶を受け、夢を抱いて海を渡った青山・八田・久保田。三人は、真の国際人、地球人に成長し人類、地球のため土木事業に献身的に生涯を捧げました。彼らの業績は今も現地で讃えられ感謝されています。では、彼らはなぜ海を渡り、どんな土木事業を行ったのか。土木工学や歴史の研究に基づいて描き、謎を解きあかします。
みんなの声(絵本を贈呈された小学校の生徒)
「明治時代、外国人が鉄道をひいてくれたのはありがたかった。外国人の教えた高度な技術や考えを手本にもっと良いものを作りだしてきた日本人もすごい」(第3巻)
■ 監修 高橋 裕 画・構成 加古 里子
文・編集 緒方 英樹
■ 企画・発行 (一財)全国建設研修センター
■ 価格 無償頒布(小学校、図書館等)
※第5巻を除き在庫切れだが、各巻とも
ホームページ から申請に基づきダウンロードして活用できる。
㈱小野組:絵本配布について
今年3月、㈱小野組(本社:新潟県胎内市 明治21(1888)年創業)と㈱第四銀行(本店:新潟市)は、(一財)全国建設研修センターに申請して「土木の絵本シリーズ」全5巻をHPより複写・製本し、胎内市内の全小・中学校、図書館、公民館へ配布した。製本・配布費用の一部は「みらい応援私募債」*を活用した。
「地域の子供に、土木が町の保守、生活上で将来も重要だと理解してほしい。土木と学校教育フォーラムで絵本が紹介され、一覧してとても良い内容だと思った。子供や学校からは好評をいただいた」(小野社長)
*「みらい応援私募債」:㈱第四銀行が、私募債発行企業の手数料を一部利用し、地域の小・中学校へ図書、スポーツ用品を発行企業と連名で寄贈する。