歴史資料

温故知新 世代を越えて|東京駅

東京駅

 大正三年(一九一四年)十二月、今からおよそ一〇〇年前、新橋駅と上野駅を結ぶ日本を代表するターミナル駅が完成した。
当初は予算も少なく、戦争により幾度も計画が中断したが、日露戦争での勝利を機に、国威を象徴するものとして全長三三五メートルもの大駅舎となった。
 設計は明治大正期における建築界の重鎮、辰野金吾が手がけ、鉄骨レンガ造りの三階建て駅舎を着工から六年の歳月をかけて創建された。
 地下は、一万本もの木の杭で支えられており、大正十二年の関東大震災ではほぼ無傷であったいうから、当時の建設技術の高さに驚かされる。しかし、昭和二十年の空襲によって三階の屋根やドームが焼失し、二階建てに復建された。
 今年十月、東京駅は五年にわたる復元工事が完了し、開業時の姿で全面開業を迎えた。最新の免震工法が施された赤レンガ駅舎は、この先も人々を魅了し、継承されていくだろう。

正式名称/東京駅
所在地/東京都千代田区丸の内一丁目
設計/辰野金吾
施工主体/大林組
構造/鉄骨煉瓦造
竣工/1914年(大正3年)

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