歴史資料

日越友好の架け橋|ベトナム 来遠橋

 

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 ベトナム中部クアンナム省に位置するホイアンは、トゥボン川河口の港町である。中国人街を中心に古い建築が数多く残っており、一九九九年(平成十一年)には「ホイアンの古い町並み」としてユネスコの世界遺産に登録されている。
 日本とベトナムは、古くから友好な交易が盛んに行われていた。昔は日本人街も存在しており、市街地に造られた「来遠橋」は、一五九三年(文禄二年)に日本人によって架けられたとされている。橋脚には強固なレンガが使用され、舗道や柱は木造、屋根は漆喰で固めた瓦が葺かれ、橋の中央には小さな寺が設置されている。地元では「日本橋」や「日本人橋」とも呼ばれ、今もなお重要なインフラの一つとして、また日越友好の歴史を示す証として、大切にされている。
 開橋から四〇〇年以上を経て、現在のベトナム紙幣には、この「来遠橋」が描かれている。そしていま、日越にとっての新たな架け橋の建設が進んでいる。国交樹立四○周年を迎えて、日越関係のさらなる発展を期待したい。


正式名称/来遠橋(日本橋)
所在地/D Nguyen Thi Minh Khai Town Centre, Hoi An
設計・施工/1593年
構造/木造

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