2014.02.24
人々の生活を守り続けた|石淵ダム
撮影:安河内孝氏
東北地方最大の河川である北上川の流域では、古くから洪水と渇水の被害に悩まされてきた。内務省では「北上川上流改修計画」を策定。この状況を改善すべく「北上川五大ダム計画」がまとめられた。昭和十三年(一九三八年)のことである。
この計画で「石淵ダム」は設計当初、重力式コンクリートダムとして計画されていた。しかし、終戦直後の日本では、セメントの生産量が戦時中の二割程にまで落ち込んだことで、セメント不足が続き、石淵ダムの計画変更となる。ロックフィルダムとして国内で初めて着手されることとなった。こうして七年の歳月をかけ、昭和二十八年(一九五三年)に岩手県奥州市の胆沢川に石淵ダムは建設された。その後、田瀬ダム、湯田ダム、四十四田ダムが、昭和五十六年(一九八一年)には御所ダムが竣工。、四十数年あまりに及ぶダム計画は完結し、人々の生活は大きく安定したのであった。
平成二十五年(二〇十三年)、さらなる治水安全度の向上と、より安定した利水補給等を目的に、石淵ダムの二キロ下流に新たなロックフィルダム「胆沢ダム」が竣工した。これまで北上川流域の人々の生活を守り続けた石淵ダムは役目を終え、胆沢ダムの湛水後に水没する。
所在地/岩手県奥州市胆沢区若柳字尿前
形式/ロックフィル(岩石・土砂を積み上げ建設するダム)
着手・竣工/1945・1953
ダム事業者/東北地方建設局
施工会社/西松建設
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