歴史資料

若い力で活性化を|神田学生街

 

写真:1930年頃の神田古書店街の学生

写真:1930年頃の神田古書店街の学生
(新光社『日本地理風俗大系 第2巻』より)

 全国有数の学生街として知られている神田界隈。多くの大学や専門学校、予備校などが立ち並ぶ一方で、下町の風情も色濃く残っている。江戸時代に武家屋敷であった一帯は、幕府崩壊後、空家となった敷地を利用して多くの学校が建てられた。必然的に書店の需要が増え、戦後にはスポーツ用品店や楽器店が軒を並べ、教育・文化の中心地となった。
 神田淡路地域では、高度成長期やバブル経済期に伴い業務地化が進み、居住機能が低下、平成五年には児童数の減少により淡路小学校が閉校となった。住民の高齢化は進み、学生が気軽に住める家賃相場ではないため、若者の居住者も増えず、地域社会の衰退が大きな課題となっていた。
 そこで、地域住民を中心に再開発事業が進められ、昨年、淡路小学校跡地にオフィスや店舗が入る複合施設「ワテラス」が建設された。施設内には相場より安い学生賃貸マンションも設置され、若い力を交えた地域コミュニティの再生と活性化を図っている。

 

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