歴史資料

安全への架け橋 西枇杷島町横断歩道橋

 

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 昭和三十四(一九五九)年、日本最古の歩道橋「西枇杷島町横断歩道橋」が誕生した。愛知県清須市を走る県道六十七号は交通量が非常に多く、小学校の通学路になっていた二見交差点では横断の際に事故が頻繁に発生していた。こうした状況下、児童が重症を負った事故を契機に、地下道や信号機設置などの案の中から学童専用陸橋の建設が決まったのである。
 日本で初めて歩道橋建設の工事を請け負ったのは、名古屋造船株式会社(現在の株式会社IHI)。工事に際しては、日本が誇る造船技術を活かしたそうだ。全長四十六・八メートル、幅二・五メートル、高さ五メートルの歩道橋は鉄筋コンクリート製の橋台部分に鋼鉄製の橋桁が乗った重厚な構造で、現在のような鉄骨製ではなかった。
 県道の拡幅工事に伴って、平成二十二(二〇一〇)年に惜しまれつつ取り壊されてしまったのだが、撤去の際は渡り納め式が実現し、在校生やOBらが別れを告げた。現在は新しい歩道橋に建て替えられ、登下校の児童たちの安全を守っている。




愛知県清須市に建設された日本初の歩道橋(1959年完成)

 

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