人材確保・育成

インタビュー 一般財団法人になった建設業振興基金に期待する

北川 義信 氏 (社)石川県建設業協会 会長 (社)全国建設産業団体連合会 副会長(北川ヒューテック株式会社 代表取締役会長)
向井田 岳 氏 (社)岩手県建設業協会 副会長(刈屋建設株式会社 代表取締役)
才賀 清二郎 氏 (社)建設産業専門団体連合会 会長 (社)日本建設躯体工事業団体連合会 会長(才賀組 取締役会長)
向井 敏雄 氏 (社)建設産業専門団体連合会関東地区 会長 (社)日本機械土工協会 会長(向井建設株式会社 代表取締役会長)

この4月から、新公益法人制度に基づいて一般財団法人へ移行した当基金と
親交のある各会の方々から、業界の展望や当基金に期待するお言葉をいただきました。

技能労働者の確保・育成のための調査や施策立案の支援

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才賀 清二郎 氏
社団法人 建設産業専門団体連合会 会長
社団法人 日本建設躯体工事業団体連合会 会長
(才賀組 取締役会長)

1.振興基金との関わり

 建設産業専門団体連合会が社団法人化して今年でちょうど10年を迎えます。
 平成14年当時、建設産業専門業の経営革新及び施工力の改善に関する事業並びに建設産業専門業の社会的地位の向上に関する事業を実施することを目的に、私が会長を努める社団法人建団連と建設産業専門団体協議会との統合及び当連合会の設立に際して、基金より多大な支援をいただいており、団体設立後は、専門工事業界の発展のために、下請債権保全事業などの支援をいただいております。

2.専門工事業界の現状及び展望

 専門工事業界においては、企業の利益率・経営体力が低下し、倒産・廃業の増加を招いています。それに伴い、技能労働者をきちんと雇用することが困難となり、年収の低下もさることながら、法定福利費を負担してもらえない技能労働者が増加、労災や雇用保険、年金などのセーフティネット面で不安定な状況に置かれています。
 そこで、建専連では、平成21年度に「建設労働生産性の向上に資する12の提言」を策定し、以後、これらの提言を元請事業者や発注者当に周知・普及し、専門工事業者の経営革新や技能労働者の確保・育成、賃金・処遇のアップなどの実現を図ってまいります。

3.振興基金に期待する役割

 建設現場の要となる技能労働者の確保・育成に関する調査・施策立案への支援、業界における技術・技能の伝承、登録基幹技能者の積極的活用、評価制度の確立及び専門工事企業の評価制度の構築などについての具体策を整備し、今後の我が国の建設生産システムの再構築に向けた施策立案を実現する推進力としての取り組みを期待しています。

総合的な「現場力」の 強化活動の更なる充実

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向井 敏雄 氏
社団法人 建設産業専門団体連合会関東地区 会長
社団法人 日本機械土工協会 会長
(向井建設株式会社 代表取締役会長)

1.振興基金との関わり

 1979年に振興基金が設置した「専門工事業経営指導委員会」の委員を委嘱されて以来、今年で33年となります。現在までで特に印象深いのは、2000年の専門工事業イノベーション戦略研究会におけるとりまとめでした。専門工事業界の近代化、合理化はもとより、建設業の持続的発展のための施策である人材の確保育成、基幹技能者制度の構築、建設生産システム合理化推進などについて立案されました。

2.業界の現状及び展望

 少子高齢化の時代に、建設業において今日の戦力、明日を担う人材の育成は急務であります。若年層の建設離れの傾向は年々顕著になっていますが、昨年の大震災を経験し、「建設ものづくりの担い手」として優秀な技術者や技能者の確保育成は、社会、そして建設業にとって不可欠であり、最重要な社会的責任であると改めて認識しました。企業存続の基盤である「人」が活き活きと個性と能力を発揮し、個人の強みと協働による力を最大発揮できる人材マネジメントシステムの確立を目指す業界となるよう努力しています。

3.振興基金に期待する役割

 建設生産システムの根幹である「現場」における施工管理能力を担保するハード、ソフト面で、より一層の充実に資する活動に期待しています。特に人材育成の面において、現行の富士教育訓練センターの運営への支援、また、現場力の基盤となる基幹技能者制度の強化、そして専門工事業者の国際化への対応としての、海外実習生受入れ事業などを有機的に結合、進化させて、総合的な「現場力の向上」に向けた活動を引き続き期待しています。

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