人材確保・育成

インタビュー 一般財団法人になった建設業振興基金に期待する

北川 義信 氏 (社)石川県建設業協会 会長 (社)全国建設産業団体連合会 副会長(北川ヒューテック株式会社 代表取締役会長)
向井田 岳 氏 (社)岩手県建設業協会 副会長(刈屋建設株式会社 代表取締役)
才賀 清二郎 氏 (社)建設産業専門団体連合会 会長 (社)日本建設躯体工事業団体連合会 会長(才賀組 取締役会長)
向井 敏雄 氏 (社)建設産業専門団体連合会関東地区 会長 (社)日本機械土工協会 会長(向井建設株式会社 代表取締役会長)

この4月から、新公益法人制度に基づいて一般財団法人へ移行した当基金と
親交のある各会の方々から、業界の展望や当基金に期待するお言葉をいただきました。

地域における建設産業の 広報活動の実践

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北川 義信 氏
社団法人 石川県建設業協会 会長
社団法人 全国建設産業団体連合会 副会長
(北川ヒューテック株式会社 代表取締役会長)

1.振興基金との関わり

石川県建設業協会では、下請セーフティネット債務保証事業・地域建設業経営強化融資制度及び各種助成金を活用し、当協会の事業運営を行っています。
 特に、建設業の金融の円滑化に資する地域建設業経営強化融資制度は、会員各社においても有益な事業であると認知され、広く活用されています。

2.地域の業界の現状及び展望

 石川県内の建設投資額は、平成22年度902億円、ピーク時の平成10年度の約3分の1の投資額となっており、県内業者数も年々減少の一途をたどっています。
 そこで、昨年より、建設業協会の独自事業として、「いしかわの建設産業再生プラン」の策定に向けた取り組みを開始しました。この再生プラン策定プロセスは、地域のマスコミ・県民との対話を通じて、石川県の建設産業が、地域社会の維持に持続的に活躍し、地域とともに歩む建設産業であることを広くアピールすることを目的としたものであり、以下の3つの課題についての認識を共有し、解決策を探ろうという試みです。

課題① 地域社会の維持に関わる企業が不足
課題② 若年入職者の減少、技能者の高齢化、技能技術喪失の危機
課題③ 建設業の適正な利益と品質の確保

3.振興基金に期待する役割

 地域の建設産業の各種の取り組みに対して、これまで以上、一層の支援をお願いしたい。 特に建設産業の広報という面では各地域の事業者の普段からの活動及び各団体での活動についての情報を集約し、広く国民に届く広報の実践を期待しています。

技術者・技能者の教育訓練施設の 整備・運用の拡充

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向井田 岳 氏
社団法人 岩手県建設業協会 副会長
(刈屋建設株式会社 代表取締役)

1.振興基金との関わり

 今から22年前の平成2年2月に、基金主催の第1回建設業経営者研修(事業承継)に地元企業の先輩経営者の方の紹介で参加したのが始まりです。これ以後、振興基金の実施する講習には幸いすべてに参加し、講師の方々及びさまざまな地域の経営者との出会い、議論を通じて、自分が経営者としての考え方について刺激を受け、今日を築けたと感じます。

2.専門工事業界の現状及び展望

 今後、復興工事が本格化し、工事量は膨大となりますが、その後の地域の建設業として展望が描けるかというと、なかなか難しいのが実状です。
 そうなると、目先の仕事量をこなす体制の整備そのものが、数年後、過大なものとして経営を圧迫する要因となるかもしれません。先が見えないところでの経営者としての経営判断は、悩ましいというのが現状です。また地域では、限界集落が現実として存在するなど、都市と地域の問題を国家としてどのような判断を行うのかということによっても地域の産業としての建設業の生業は、影響を受けると思います。

3.振興基金に期待する役割

 前述の経営者研修など、振興基金の全国的なネットワークは、情報収集などにおいて有効に活用させていただいています。今後も地域の経営者達が本音で議論ができる「場」の提供を引き続きお願いしたいと思っています。  また、当社においては、富士教育訓練センターを新入社員教育及び重機オペレーター養成などで活用させていただいています。技術者・技能者の教育、人材育成のソフト・ハード両面のさらなる整備・充実という活動は、業界にとって無くてならない事業だと感じています。さらに、今後は拠点的な教育訓練施設の整備・運用などにおける貴団体の今後の業務の一層の拡がりを期待しています。


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