人材確保・育成

東総工業高校 建設科で「測量技術講習会」を開催|キャリアレッスン助成事例

公益社団法人 千葉県測量設計業協会 技術研修委員会 学校研修部会
千葉県立東総工業高等学校 建設科

 講習は、専門的な技能・技術の習得のみならず、学生に建設業への理解を深めてもらうことを目的としており、職業観や勤労観、主体的な職業選択能力の育成を図っている。建設産業の人材確保・育成において、担い手不足が重要な課題となっているいま、建設業しんこう編集部では、千葉県立東総工業高等学校の小島先生に本講習会について話を伺った。

■1班5人で「トータルステーション測量実習」に挑戦しながら測量業界について学ぶ

 今回の講習は建設科2年生34人を対象に実施しています。生徒は1班5人の7班に分け、各班に配属された講師に直接指導を受けます。午前中の測量実習では、まずフルCGの映像で、GPS(GISS)測量が人工衛星から発信される電波を利用して緯度、経度、標高などの位置情報を計算する仕組であることを確認し、その後、屋外で最新の測量機器を使ったトランシット測量やデジタル平板測量といった実習を行います。
 測量の対象は校舎で、各班は校舎を囲うようにそれぞれ配置し、測量に必要な基準点を定める作業を行います。各班の観測ポイントに設置したミラー間の光波によって測量するので、高い精度を出すには班内メンバーとの連携が重要になってきます。



(株)佐藤測量

(株)佐藤測量

 

(株)総合開発

(株)総合開発

 

銚子測量(有)

銚子測量(有)

 

(株)新葉測量

(株)新葉測量

 

 

(有)東総測量設計社

(有)東総測量設計社

 

(株)共立調査測量

(株)共立調査測量

 

(株)エポック

(株)エポック

 

右から(株)千葉測量 TOPCON、福井コンピューター(株)

右から(株)千葉測量、TOPCON、福井コンピューター(株)

 

 午後は測量機器メーカーに協力いただき、午前中に収集した校舎の座標・結線情報などの数値をパソコンに取り込み、コンピューターによる自動図化機の実習を行います。これは、メーカーから最新機材をお借りして実習を行います。
 高等学校で最先端の機器を扱える事はまずあり得ません。当校でも10〜20年前の機械で授業をしていますから、就職した子供たちから「自分が学んできた事はいったい何だったのでしょうか?」と言われたこともありました。

 最先端の測量器具を使い、プロの技術者に直接指導してもらえる測量実習はなかなかできるものではありません。1台200万円もする機器を触らせるのは不安がありますが、リアルに現場で働くプロの技術者に身ぶり手ぶりを交えながら指導してもらうことで、子供たちはプロの仕事に直接触れることができるのです。最初は機材から離れて見ていた子供たちも、徐々に教える企業技術者と教わる生徒の間にコミュニケーションができ、声を掛け合って、自ら機材に触るようになってきます。「トータルステーション測量実習」は、測量の技術を学ぶだけではなく、関係する人とコミュニケーションをとることで、職業感も含めをトータルに実習することができるのです。

 

   

   

建設技術者の講師:宇井 隆政氏(株式会社 総合開発)
 協会からの依頼で毎年この講習には講師として来ておりますが、学生の皆さんに測量という仕事を知ってもらうことは、重要な役割だと思っております。私どもにとっては、優秀な人材を探すいい機会にもなりますので、今後とも続けていただきたいです。





 


機器メーカーの講師:井上 千晶(TOPCON 東京営業所)
 これから社会で働く学生の皆さんに、製品を知ってもらう機会はなかなかありませんので、こういった形で紹介できるのは嬉しいです。







 

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