木村よし子氏
もっと女性が活躍できる建設業へ向け、8月22日、国土交通省と建設業5団体が会談を行い、官民挙げた取組として「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」が策定されました。
この計画では、「女性の活躍が、更なる女性の活躍を生む『好循環』へ導く」とされており、「女性技術者・技能者の5年以内倍増」が官民あげた大きな目標として掲げられています。本計画を実行するため、女性の活躍を総合的に応援するポータルサイト『建設産業で働く女性がカッコイイ』が『建設現場へGO!』に開設されました。そこで今回は、国土交通省 土地・建設産業局建設業課 課長補佐 木村よし子氏に行動計画についてお話を伺いました。
建設業は5年間で女性雇用の倍増を目指し制度・環境整備を進めます!
まず、皆様にお伝えしたいことは、「女性が活躍できる建設業」になることとは、「男女問わず働きやすい建設業」になるということです。
例えば、トイレや更衣室が使いやすく清潔に保たれていること。長時間労働を縮減すること。計画的に休暇取得できること。育児や介護と両立できる勤務体制であること。
これは女性のみに求められる職場環境ではありません。企業や業界、社会を挙げてこの認識を共有した上で環境の改善に努め、女性の更なる活躍を推進することが大切です。また、このことで、建設業界が性別・世代を問わず更に魅力的な業界になり、担い手確保に向けた原動力となるという好循環を業界全体で生み出していくことが重要です。
このような行動計画を行政と業界団体が一体となって策定することは珍しく、「建設業界は業界を挙げて女性の更なる活躍を歓迎し、もっと女性が活躍できる産業に生まれ変わる」という官民一体となった強い決意を感じていただけばと思います。
この行動計画では、「自らのできることから行動」という意味を込め、敢えて(行政・業界など)誰が担うかという区別を設けていません。現段階において、各業界団体や企業によって、女性活躍に向けてすぐに取り組めることはそれぞれ違うと思いますので、目標設定、先進的な取組分野の共有、環境整備など、できることから随時取り組むことで、国土交通省、業界全体として女性倍増を目指していくことになります。
国交省では、太田大臣が女性の活躍する建設現場を視察・激励するなど女性活躍への応援をトップメッセージとして発信しています。このようなトップメッセージをはじめ、計画にある目標設定、理解促進、環境整備など様々な戦略や取組について、官民あげて女性活躍に取り組んでいきたいと考えています。
なお、国土交通省としては、女性の登用を促すモデル工事の実施、トイレや更衣室など女性が働きやすい現場の労働環境の整備を推進するための積算上の配慮のほか、女性のための訓練施設の改修整備、建設マスターなど現場で活躍する女性の表彰、女性の活躍を促す地域ネットワークへの支援などに取り組んでいきます。
働く女性のキャリアパス、ロールモデルを情報発信
女性の活躍を推進するためには、あらゆるステージで適切な情報発信が必要不可欠です。具体的には、小中学生や進学・就職といった進路選択を控えた学生さんに幅広く建設業の魅力をPRすること、活躍する先輩女性のキャリアパスやロールモデルを発信すること、女性の採用・登用に積極的な企業情報を発信することなどが挙げられます。
ポータルサイトでは、建設現場で活躍されている女性や女性リーダーからの現場の声、女性の活躍に積極的な企業情報、そして業界や行政の取組等について広く発信していくとのことですので、建設業で働く意欲のある女性、既に活躍されている女性、企業の三者にとって大きな意義があると思います。今後、活躍されている皆様のご協力のもと、業界、行政によるコンテンツの充実を一層図っていきますので、皆様に是非ご活用いただきたいと思います。