2015.07.31
経営に活かす原価管理 第2回|原価の構成 変動原価と絶対原価
地域経済研究所 コストコントロール部会 石岡秀貴 高田守康
第1回の記事で、原価管理には二面性があることを説明しました。その一面は、施工前に行う契約管理です。工事に必要な下請け、資材、リースの見積や自社リソースを積み上げて、単価×投入数量で工事の予算を見積もる方法です。現状多くの会社で用いられている実行予算制度は、正にこの契約管理が中心となっています。
しかしいったん施工を開始すると、不確定要素に満ち溢れている現場では、進捗を妨げる不測の事態が数多く発生します。いったん進捗が遅れると、賃率×投入時間で発生する労務費やリース料は、当初の実行予算を簡単に壊してしまいます。この進捗の遅れに対応するため、実行予算は単価や数量がふかされて積み上げられています。
このように現状多くの会社の原価管理は、片手落ち状態であり、当初の実行予算の差異を追求し、説明に終始するだけの建前管理に陥りやすいことを述べました。
ここから踏み込んで、本質的な原価管理(=現場から最大の利益を掘り起こすこと)を実現するには、どうしたらいいのでしょうか? それにはまず、原価の本質を知ることから始めたいと思います。これは、小難しい原価計算では、全くありません。イメージの中で、原価の発生要因を分類できるだけで、十分です。
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[経営に活かす管理会計]
2017.03.14
経営に活かす管理会計 第10回|管理会計の利用と人材育成の方法を変える
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[経営に活かす管理会計]
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2017.02.17
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[経営に活かす管理会計]
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