お役立ち・支援

FOCUS

建設生産の向上を図るネットワークシステム CI-NET導入をお考えの皆様へ

(一財)建設業振興基金/経営基盤整備支援センター情報化推進室 事務局

CI-NETとは、建設産業の生産性向上を図るため、企業間の取引情報をインターネットを利用して交換するための仕組みです。
現在、建設企業を取り巻く経営環境は多様化しており、生産の高度化に向けた取り組みを進めることが急務となっております。当基金・情報化推進室が運営する「情報化評議会」では、企業間取引の効率化・高度化の促進および取引の適正化・透明性の確保による法令遵守の促進を図るため、国土交通省とともに建設業における電子商取引の普及促進を行っており、CI-NETは全国で10,096社(平成27年11月末)にご利用いただいております。

 国土交通省の電子商取引への取り組み、狙い
電子化により期待される効果

 国土交通省では、電子契約・電子納品を行う場合のガイドラインを公表しており、電子商取引の留意すべき事項を示しています。電子商取引を行うこと、つまりCI-NETの導入により、昨今取り上げられている建設業の生産性向上、コンプライアンスに寄与することが可能となる上、印紙代削減といった定量的な効果があります。

 CI-NETの概要、最新動向および導入に向けた支援活動について
電子商取引イメージ
<参考> CI-NETの導入・運用コスト(ASP利用の場合の一例)

 CI-NETは電子商取引に関した建設業界の標準ルールで、調達業務である見積・契約・出来高・請求業務をカバーしています。CI-NETに準拠すれば、どことでも電子商取引ができます。全ての業務を一気に電子化すると、費用、導入期間、手間も大きくなります。そこで注文業務から、取引量の多い限られた取引先から実施すると、コストが抑えられ、簡単に導入できるスモールスタートを推奨しています。
 初期コストは約7~10万円、運用コストは毎年約7~10万円で電子契約が可能です。ASP利用なら、セットアップや保守も不要です。
ASP … インターネット経由でソフトの機能だけを有償で提供するサービス。自社での初期費用、人員を少なく抑えることができる。

 
Webサイト『情報化推進室 CI-NET』

 CI-NETの概要等につきましては、当基金が運営するWebサイト『情報化推進室 CI-NET』からもご覧いただけます。
 また、こちらのWebサイトではCI-NET導入の手続きや、最新の動向についてもご紹介しております。

 
 導入事例
 
1.アイシン開発㈱

 

 
 愛知で先陣を切って電子契約を導入し、着工前契約締結の徹底を目指しています。

電子化により注文書発行から請書の受領までのリードタイム短縮(9日→4日)を実現しました。電子化率の上昇に応じて費用の削減効果も大きくなります。導入効果である費用削減により、収支バランスは好転します。

 
2.西松建設㈱

 

 
 導入当初より出来高・請求業務までも電子商取引化による業務効率を求め、社内システムと一体化した仕組みを目指しています。

ASPが提供する連携パッケージによって社内の原価購買システムとCI-NETデータの自動連携を実現し、迅速で正確なコスト管理、利用データの有効活用を実現しました。

 
3.㈱ミルックス

 

 
 「ゼネコンの下請」と「工事および資材調達の元請」の2つの立場で利用しています。

 発注者と当社の関係では、発注者とやり取りする受注情報や売上情報のデータを社内システムと連携し、事務の効率化を図りました。
 当社と取引先との関係では、発注者からの見積依頼(鑑・明細)を取引先への見積依頼・回答に利用できます。また、取引先は、当社からの注文書を出来高報告に利用できます。

 
4.三井デザインテック㈱

 

 
 ゼネコンとは少し違う職種ですが、注文業務、出来高・請求・支払業務において社内システムと電子商取引を連携させることにより、注文業務や支払業務のコンプライアンスを実現しています。

出来高業務と支払業務を例に取ると、営業担当、工事担当の業務は従来から変更していません。CI-NETの操作はCI-NET担当者に限定し、社内業務の変更点を最小限に抑えました。
CI-NETでの注文業務は、CI-NET担当者1名が毎日5分の操作をすることで全社の注文書発送が完了し、注文請書の回収管理は出来高請求を受け付けることで実質不要となっています。

 
『建設業における電子商取引の導入検討に向けて 導入検討事例集』の公開

 平成22年度の建設業電子商取引導入支援事業において、厳しい経営環境に置かれている建設産業の経営の効率化を図るため、電子商取引(CI-NET)の導入を意欲的に検討している総合工事業者、専門工事業者等により構成される企業グループを設置し、電子商取引(CI-NET)の導入による業務内容への影響度の有無や導入後の費用対効果、また具体的な導入の手法等について、国土交通省が分析を行いました。
 その成果として、電子商取引(CI-NET)の導入における具体的な導入ポイントや導入効果をまとめた「建設業電子商取引導入検討事例集」を作成しました。
 国土交通省のHPよりご覧いただけます。

<目次>
1. 導入検討事例集の目的 2. 電子商取引について
3. CI-NETについて 4. CI-NET導入のメリット
5. 建設業における電子商取引の普及促進
6. CI-NET導入にあたって
7. CI-NET導入検討を実施した協議会
8. 協議会でのCI-NET導入検討の進め方
9. 業務コスト(作業時間・経費)の算出方法の例
10. 本書で説明するCI-NET導入タイプの説明

導入検討事例:
協議会①:中堅総合建設業者を中心とした協議会の事例
協議会②:地域総合建設業者を中心とした協議会の事例
協議会③:設備工事業者(電気設備)を中心とした協議会の事例
協議会④:設備工事業者(空調設備)を中心とした協議会の事例
 


問い合わせ先:(一財)建設業振興基金/経営基盤整備支援センター情報化推進室 事務局
e-mail: ci-net@kensetsu-kikin.or.jp tel:03-5473-4573 fax:03-5473-4580

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