平成28年6月1日、建設業法関係法令の改正を受けて、監理技術者資格者証(以下、「資格者証」という)に関する制度が施行されました。
資格者証とは、建設業法の規定により公共性のある又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事に専任で配置される監理技術者が所有することを義務付けされたものです。
なお、専任で配置される監理技術者は、これに加えて、国土交通大臣の「登録監理技術者講習」を修了していなければなりません。
主な改正事項は、次のとおりです。
ポイント 1
資格者証への「監理技術者講習修了履歴」の記載について
資格者証の様式が改正され、その裏面に「監理技術者講習修了履歴」の記載欄(赤枠内)が追加されます。本改正に伴い、従前、監理技術者講習修了者に発行されていた「監理技術者講習修了証」は廃止され、監理技術者講習実施機関から新たに「監理技術者講習修了履歴」を記載したラベルが発行されます。
資格者証に「監理技術者講習修了履歴」を記載するため、資格者証交付申請書及び同再交付申請書の様式が改正されます。
資格者証に「監理技術者講習修了履歴」を記載(印字)するためには、 の申請書に「修了番号・修了年月日」を記入して、申請する必要があります。
記入する「修了番号・修了年月日」は、資格者証の交付申請を行う直近5年以内に修了したものになります。5年以内に複数回修了した場合には直近のものとなります。
「監理技術者講習修了履歴」を資格者証に記載(印字)しなかった場合や記載された資格者証の交付を受けた後に、新たに監理技術者講習を修了した場合には、監理技術者講習の実施機関(登録講習機関:現在7機関)が発行するラベルを、資格者証裏面の「監理技術者講習修了履歴」の記載欄に貼付することとなります。
ポイント 2
新しい業種「解体工事業」の追加について
(注)実務経験は、特段の記述がないものは「解体工事」に係る建設工事に係る実務経験。 ※1 国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する登録解体工事講習を修了した方。 ※2 平成27年度以前の試験合格者は、登録解体工事講習修了(※1)又は合格後1年以上の実務経験も必要となります。 ※3 解体工事業に係る指定学科は、「土木工学」又は「建築学」に関する学科となります。
従前、とび・土工工事業に含まれていた「解体工事」が分離され、新たに「解体工事業」として追加されます。29番目の業種となります。
次の国家資格者は、下記のA又はBの要件のいずれかを有しない限り、監理技術者の技術者要件を満たすこと(解体工事業の資格者証の交付を受けること)ができないことに留意する必要があります。 ❶平成27年度以前の1級土木施工管理技士の試験合格者 ❷平成27年度以前の1級建築施工管理技士の試験合格者 ❸技術士(建設部門及び総合技術監理部門(建設)) ❸については当面の間、合格年度を問わない。 A 試験合格後、解体工事に関して1年以上の実務経験を有すること B 新設される登録解体工事講習*を修了したこと *国土交通大臣の登録講習
平成28年6月1日以降、解体工事の資格者証の交付を受けるためには、解体工事業の技術者要件を満たす必要があります。(右記「■解体工事業の監理技術者資格者証交付に係る技術者要件」参照)
平成33年3月31日までの間は、とび・土工工事業の技術者(既存の者に限る)も解体工事業の技術者とみなす経過措置が規定されています。
ポイント 3
監理技術者の配置が必要な建設工事等の金額要件の引き上げについて
特定建設業の許可及び監理技術者の配置が必要となる下請契約の請負代金の下限について、建築一式工事にあっては4,500万円から6,000万円に、建築一式工事以外の建設工事にあっては3,000万円から4,000万円に、それぞれ引き上げられます。併せて、民間工事において施工体制台帳の作成が必要となる下請契約の額の下限についても同様に引き上げられます。
工事現場ごとに配置が求められる主任技術者又は監理技術者を専任で配置することが必要となる重要な建設工事の請負代金の額について、建築一式工事にあっては5,000万円から7,000万円に、建築一式工事以外の建設工事にあっては2,500万円から3,500万円に、それぞれ引き上げられます。
制度改正の詳しい内容は、 (一財)建設業技術者センターのHP でご確認ください。
(注)当センターは監理技術者講習の実施機関ではありませんので、監理技術者講習に関する詳しい情報は、国土交通省又は各講習実施機関にお問い合わせ願います。 ▶ 国土交通省HP