広報

建設産業における戦略的広報の推進

建設産業戦略的広報推進協議会の現状

建設産業戦略的広報推進協議会

「建設業の魅力を発信するための戦略的広報検討会」において取りまとめた「建設産業の魅力を発信するためのアクションプラン」を踏まえ、昨年8月に建設産業が一体となった情報発信を継続的に進めるための「建設産業戦略的広報推進協議会(以下、協議会)」が設置されました。本稿では、これまでの協議会の活動状況を紹介します。


建設産業の担い手確保を目指し若者に向けた戦略的広報に着手

建設業の魅力を発信するための戦略的広報検討会

 本協議会では、建設産業の将来の担い手確保を目指し、若年者に向けて建設産業の魅力を効果的に伝える方法を検討してきました。さらに建設業のマイナスイメージを払拭するためにも、産業全体の魅力について議論し、その魅力を一般市民や子どもたちに伝える方法についても検討してきました。
 昨年3月、建設業の魅力を発信するための戦略的広報検討会において「建設産業の魅力を発信するためのアクションプラン」をまとめました。これを踏まえて8月28日、第1回建設産業戦略的広報推進協議会を開催し、これから建設産業への入職が期待される若者を最初のターゲットとして、当面は土木・建築科の工業高校(普通科含む)および高等専門学校の生徒、大学生など、さらにはその保護者や学校の教員に対しても効果的な広報を進めて、徐々にその範囲を広げていくこととしました。


建設産業が一体となって情報発信 「建設現場へGO!」を開設

図1 総合ホームページの概略

 建設産業では、これまで業界団体がそれぞれに若者の入職促進に向けたコンテンツを作り発信してきました。しかし、より多くの若者へ効果的に情報を発信するためには、これらのコンテンツを1つに集約した「建設産業の総合ホームページ」を開設する必要がありました。業界が一体となり、新たにメディアを立ち上げて行う情報発信は、わが国の産業界では異例なことかもしれません。
 業界団体の入職者向けコンテンツは、趣旨や目的、ターゲット(小学生、中学生、高校生、大学生など)によっても媒体や形式が若干異なるため、これらの情報を分類した上で発信する必要がありました。各ターゲット層に向けて、効果的に広報を進めるためのコンテンツを検討するにあたり、協議会では業界団体のコンテンツを情報別に分類し、カテゴリ分けしました。カテゴリは、「暮らしを創る!建設業界のしくみ」や、「建設産業で働く先輩のシゴト場」など明快で分かりやすいものとし、建設産業の認識向上や、仕事情報を掘り下げるような仕掛けをつくりました。そして、トップページに掲載されるコンテンツは全てアイコン化することで視覚的な楽しさを追求し、目的のコンテンツへ誘導するためのナビゲートを図っています。
図2 総合ホームページの情報分類図 総合ホームページの名称は、「まずは若者に、建設産業に興味をもってもらい入職のきっかけをつくる」、「建設産業に来てほしい」という願いを込め、『建設現場へGO!(http://genba-go.jp/)』に決定(昨年12月24日一般公開)。今年4月までの掲載コンテンツ数は93となり、引き続き各業界団体と連携してコンテンツやイベント情報の充実を図っていきます。


「未来をつくる君たちへ」ロゴマークで業界一体をアピール

 建設産業が一体となった広報活動を戦略的に進め、また『建設現場へGO!』による情報発信を周知するために、本協議会のキャッチコピーおよびロゴマークの検討が進められました。キャッチコピーは「未来をつくる君たちへ」に決定。この案は、協議会委員から募り、今後、建設業界に入ってくる若者に向けて「未来」を見据えたメッセージと、 将来に希望を託せる産業を「一緒につくっていこう!」という意味を込めたもので、第3回建設産業戦略的広報推進協議会(昨年12月16日開催)において選考しました。
 さらにロゴマークのデザインについては、『建設現場へGO!』および当基金の「しんこうWeb(http://bn.shinko-web.jp)」にて公募を実施。全49件の応募の中から一次審査で5件を選考。最優秀作品に窪田携馬氏の作品を選びました。なお、一次審査に残った4作品は優秀作品として『建設現場へGO!』や本誌4月号で発表しました。
 今後、ロゴマークを周知させていくためにも業界団体はもちろん、多くの方々にロゴマークの展開に協力を求め、多種多様なツールとしての展開を検討していきます。


小中学生に向けて「子ども霞が関見学デー」を企画

 本協議会では、当面の事業計画として『平成26年度事業計画(案)』を 第4回建設産業戦略的広報推進協議会(今年2月17日開催)において取りまとめました。
 本年度は、戦略的広報のターゲットを子ども(小中学生)およびその保護者に広げ、建設産業に対する世間的なイメージの向上および入職が期待される若者へアピールする取り組みの一環として、広報イベント「子ども霞が関見学デー」を計画しています。
 このイベントは、文部科学省が主唱する「子ども見学デー」関連行事の一環として、毎年夏休みを利用して中央合同庁舎で実施されているもの。子どもたちが夏休み中に広く社会を知る体験活動の機会として、省庁を見学し行政の仕事についての理解を深めてもらえるよう、各府省が連携して行っています。本協議会でも会場で建設機械の試乗体験や職人技の実演及び体験などのイベントを企画、検討を進めています。
 また、12月までには、各業界団体などの協力のもと工業高校に技能労働者を派遣し、出前講座(座学・実技)を行うなど、学生、保護者および教員をターゲットとした「工業高校キャラバン(仮称)」の実施も計画中。教員との意見交換やアンケート調査を行う見通しです。来年3月を目標に就職活動支援サイト運営業者との連携を図り、国民の生活を支える建設産業をアピールするパネル展示会なども計画しております。
 建設産業が一体となった広報活動をより戦略的に進めていくためには、全国の各ブロックにおいて同種の協議会設置に向けた働きかけも欠かすことができません。各建設産業団体が保有するコンテンツや取材情報の収集、および『建設現場へGO!』への掲載の検討を進めるとともに、双方向コミュニケーションツール(掲示板、SNS等)などを活用し、今後とも積極的に学生や若者たちのネットワークへアプローチしていく方針です。

国土交通大臣とおはなししよう/子ども霞が関見学デー(平成25年) 子ども観光庁長官、緊急募集!/子ども霞が関見学デー(平成25年)

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