広報

建設産業における戦略的広報の推進

建設産業の新たな広報の取り組み

建設産業における人材不足は、いまや安全で豊かな国民生活をも揺るがしかねない状況にあります。産業規模での入職促進が叫ばれている中、各団体において、これまでも自分の足元からと、それぞれにできることを様々な形で取り組んできました。ここでは5つの団体が戦略的に実施する「建設産業の新たな広報の取り組み」を紹介します。

戦略的広報ガイドブックを作成し建設産業の必要性をアピールしていく


一般社団法人 北海道建設業協会

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 建設産業や公共事業の必要性を道民の皆さまに理解してもらうためには、我々が情報発信力を高めていくことが欠かせません。そこで平成24年11月、具体的な方策を(一社)北海道開発技術センターと(株)北海道建設新聞社のコンソーシアムに委託し、『道内建設業のための戦略的広報ガイド』(以下、ガイドブック)を作成しました。
 このガイドブックでは、戦略的広報の概要を分かりやすく紹介することを目的に、業界団体・会員企業が広報活動を展開していく上での指針や留意点などをやさしい言葉や表現でまとめました。



「道内建設業のための戦略的広報ガイド」

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 昨年6月18日の釧路会場を皮切りに、当協会傘下の11地方協会でガイドブックの説明会を開催しました。北海道建設新聞社の荒木正芳取締役企画部長による「広報活動の留意点や効果的なプレスリリースの活用方法」についての説明をはじめ、地元新聞社など一般のマスコミ関係者から「建設業界が外部からどう見られているのか」、「どういう点をアピールしていけばいいのか」といったアドバイスをいただきました。
 このような取り組みは継続的に推進していくことが重要です。最初から高いハードルを設けず、一歩ずつ着実に広報活動を進めたいと考えています。当協会の今年度事業計画においても、「建設業の役割をPRするパネル展」の開催や、写真投稿コミュニケーションマガジン『Scene 北海道』を通じて各地方協会が取り組む社会貢献活動の紹介など、段階的に進めていく予定です。

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左/中 ガイドブックで解説される「広報用プレスリリースの実例」
右 ガイドブックでは平常時に取り組める社会貢献活動について紹介

ツイッターを活用し除雪作業状況をリアルタイムで発信


一般社団法人 群馬県建設業協会

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 当協会では、平成21年度から、被災現場の状況を写真と位置情報で速やかに官公庁と共有するため、「GPS携帯による災害情報共有システム」を運用しています。今年2月の歴史的大雪においても、会員企業が除雪作業の状況をシステムに送信していましたが、その状況をリアルタイムに発信するため、2月19日にツイッターを立ち上げ、除雪作業の様子をツイート(投稿)しました。
 ツイッターを使われる方々は、積雪による通行止めの情報や、孤立集落に向かう除雪作業の進捗状況に大きな関心があったと思われ、地名や除雪作業といったキーワードで検索していました。このため、ツイッターに投稿する情報には、可能な限り市町村名と県道名、さらには周辺地域が分かるキーワードを盛り込み、撮影時の時間を明記して投稿しました。すると、情報を検索した県民や全国各地の方々に閲覧され、励ましのメッセージを多くいただきました。

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 除雪作業の投稿を行っていた時は大量にリツイートするユーザーが多く、その数から概算すると数十万人に情報が拡散していたと考えられます。こうした取り組みはマスコミからも関心が寄せられ、一般紙においても当協会のツイッター発信が報道されました。
 このたびの大雪において多くの反響があったことから、ツイッターを中心としたソーシャルメディアに情報を投稿することの有用性を確認しました。災害対応状況を可能な限り発信することで、建設業の持つ意義を直接国民の皆さまに知ってもらえる有効な手段であると考えています。

自然災害時の地域貢献活動をイベントやパンフレット配布で紹介


一般社団法人 東京建設業協会

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 建設業は、社会資本の基盤整備、地震や台風などの復旧対応、インフラの維持・管理を通じて、住民の皆さまの快適な暮らしを支えています。社会的役割は今後も不変であり、それを効果的に広く伝えて業界のイメージアップを図るのが、当協会の戦略的広報と考えます。
 昨年の台風26号による伊豆大島土砂災害においては、東京都の要請を受け、ブルドーザや油圧ショベルなどの建設機械、土のう袋やブルーシートなどの資材を輸送し、復旧支援を行いました。
 このような自然災害時の地域貢献活動について、より多くの方に知っていただこうと、当協会が主催する各種イベントや、行政主催の防災展・耐震キャンペーンなどにパネル展示やパンフレットの配布を行っています。

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 「創造の喜びや楽しさ」は、建設業が持つ本質的な魅力です。その魅力を伝えるため、都内高等学校の建設系学科の学生に対して、日頃の勉強の成果を発表する場として「東京都建設系高校生作品コンペティション」を開催し、表彰しています。都民や中学生に建設業への興味を持つきっかけとしてもらい、入職促進につなげています。
 また、若年者の人材確保および入職後のミスマッチをなくすために『みんなの建設業Q&A50』という冊子を制作・配布して、学生をはじめ、その保護者や一般の方にも建設業の仕事内容や魅力を伝えています。「合同企業説明会」も開催し、建設業を志す若年者と業界を結びつけ、就職・採用活動に貢献しています。

ホームページへの誘導戦略を展開 イメージアップで業界への入職促進を図る


一般社団法人 富山県建設業協会

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 現在、建設業界では、将来を担う若い世代を確保・育成することが喫緊の課題となっています。当協会では平成25年度の新たな広報活動として、公共交通機関に協会ホームページアドレスを記載したポスター・車内広告を掲示してホームページへと誘導し、建設業に対する理解やイメージアップを図ることで入職につなげる事業を展開しました。
 ホームページには「私たちのメッセージ」と題し、建設企業で働く若手や中堅の技術者3名のインタビュー記事を掲載し、仕事内容、建設業の魅力とやりがい、建設業を志す方々へのアドバイスなどを紹介しています。
 作成にあたっては「第5回とやま建設フォトコンテスト」の優秀作品を利用し、インタビュー記事の技術者3名の写真も加えました。ポスターは県内のJRや地方鉄道の駅、鉄道・バスなどには車内広告を掲示したほか、学校などにも配布し、広く県民の皆さんの目につくようにしました。

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 掲示期間中のアクセス数は、最大で掲示前の1.8倍にもなり、一定の効果があったと考えています。しかし、一度のアクセスではイメージアップが難しく、今後も「私たちのメッセージ」を定期的に更新し、入職促進に努めていく計画です。

内装工事業の魅力を伝えるDVDで入職促進や社員教育、技能者育成へ


一般社団法人 全国建設室内工事業協会

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 建設業の中でも特に高い技能が求められる内装工事は、やりがいのある仕事にもかかわらず、その魅力が若い人に伝わっていない現状があります。職人の手仕事をじっくり眺めたことのある若者は、果たしてどのくらいいるのでしょうか。
 そこで当協会では平成24年、職人の仕事風景などを記録した『内装工事業界プロモーションDVD』を制作しました。若い人たちに内装工事業の仕事や当協会の活動を広く知ってもらい、業界の魅力を伝えるとともに、入職促進や社員教育、技能者育成のPRツールとして活用してもらうことが目的です。

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 DVDは、会員企業で働く職人が実際に仕事をしている様子と、建設マスターの称号を持つベテラン技能士や1級技能士、女性技能士といった方々へのインタビューで構成され、中でもインタビューでは、内装工事のやりがいや魅力、誇りに思っていることなどが語られています。
 3部構成の第1部は「“全室協”って何?」と題し、安全パトロールや委員会活動など、当協会が取り組んでいる事業を紹介。第2部「来たれ!未来の“匠”たち」は、内装工事業界を目指す若者たちへ贈る「先輩技能士からのメッセージ」を収録しました。また、第3部「内装工事の基本施工」は、新人教育用の施工解説です。鋼製下地材、ボード張り施工だけでなく、壁紙・クロス張り工事、ビニル床シート張り工事など、内装工事全般の基本を網羅しました。求人活動、新人教育などに利用されたい方は、当協会・本部事務局(電話03-3666-4482)までお問い合わせください。

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