企業経営改善

建設業経営者インタビュー

社員と一致団結し地域に確固たる基盤を築く/経営者インタビュー | 黒澤 和彦さん(長野県)

株式会社 黒澤組
黒澤 和彦 氏

手作り弁当や社員旅行などで一致団結の関係を構築
~土木を基盤に、地域に根付いた総合建設企業~

黒澤 和彦さん

黒澤 和彦さん

プロフィール/1967年、長野県生まれ。
埼玉大学土木工学部卒。
大手ゼネコンで4年間修業し、平成7年、同社に入社。
平成20年より現職。

株式会社 黒澤組
本社  長野県南佐久郡小海町大字千代里3162
創業  昭和27年
スタッフ数 82名(平成24年10月現在)

 

●会社の概要

 当社は私の祖父が創業し、地域に根付いた総合建設業として土木工事を基盤として生コン工場・アスファルト工場を所有し、長野県の東信地方管内を中心に、最近では北信地区へも展開しています。土木は公共工事、建築は民間建築を中心とし、売上げは土木7、建築3の割合であり、工事の9割が元請けとしての受注です。

 

●採用に対する姿勢

 地方都市経済において建設業の占める割合は大きいものの、雇用の場を多く創出できているわけではありません。そんな中当社はここ数年、新卒採用に注力しています。採用希望職種は土木技術者でありますが、建築技術者の志望者が圧倒的に多く、若手の土木従事者が不足しているのが現状だと思います。
 新卒採用においては、工業高校と普通高校、どちらの出身であっても大きな違いは感じられませんが、学生時代にスポーツに打ち込んでいた学生は礼節及び仕事に対する姿勢がしっかりしているので積極的に採用しています。当社を志望する学生には、実際に施工している大規模な工事現場を見学させて「この仕事が社会にどう必要とされているか」「何のためにこの仕事があるのか」といった事柄を説明しています。実際の現場を訪問して、そこで何が行われているかを学生に伝え、現場の空気を感じてもらうことが大切だと思います。

●福利厚生について

自社手作りの弁当は、先代より続けており、 社内の給食室で作っている

 社員のモチベーションアップの一環として、年1回の社員旅行など福利厚生の充実を図っています。今年は10月に横浜・浅草への旅行を企画しました。また、以前社員から要望を募った際に「毎朝お弁当を作るのが大変」といった声が多かったため、20数年前から社内の給食室で昼食用の弁当を作り、管理職がそれぞれの現場に届けています。

 

●今後の戦略

 土木部門に比べて、民間・建築部門は歴史も浅く、工事の受注不足は否めません。その点を改善するべく、まずは地域において確固たる基盤を築くことが最優先事項と考えます。
 そこで最近のホットな話題としては、環境への取組みをベースとした新規事業を立ち上げたところです。環境事業を介して建設事業につなげることができればと考えており、この環境ビジネスと本業の建設業の相乗効果を期待しています。

●振興基金に期待すること

 人材不足で困っている建設企業も多いはず。しかし、若い人が建設業(特に土木業)に従事することを積極的に目指すような現状ではないと思われます。基金さんには業界のイメージアップに率先して取り組んでいただき、業界の過去のイメージを払拭し、数多くの優秀な若者がこの業界で活躍するような未来を一緒に創っていってもらいたい。

 

経営のポイント
会社の情報をオープンに社員に伝える
定期的に社員と対面で話を聞き、意識を共有する
良い仕事をすることが次の仕事につながる
評価される仕事をすること大切である

 

 

第17回建設業経営者研修のご案内

第17回建設業経営者研修

建設投資、とりわけ公共投資の大幅な縮小によって、建設業の経営環境は厳しさを増す一方である。建設業には、従来型の「請負業」的な経営体質から脱却し、時代の変化と地域や社会のニーズを捉えた新たなビジネスモデルの展開が求められている。今年度は「新しい建設業のかたち」をテーマに、有識者等による講演及びパネルディスカッション、懇親会を通じて、研修会参加者が、今後の経営戦略を考える上でのヒントを幅広い視点から探っていく。

日 時/平成25年2月4日(月)13:30~18:40
会 場/メルパルク東京 東京都港区芝公園2-5-20
対象者/中小建設業の経営者、経営後継者、経営幹部の方

>>詳細、お申し込みはこちら

 

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