人材確保・育成

工業高校における2級施工管理技術検定(学科試験)実施の現状|ケース5 徳島県立科学技術高等学校

総合技術系建設技術類建築コース 佐川 忠行先生
総合技術系建設技術類環境土木コース 曽根 徳治先生


徳島県立科学技術高等学校

卒業後の社会との接点を深め、資格の必要性を意識させる

 


 
徳島県立科学技術高等学校
設 立:2009年   課 程:全日制・定時制
生徒数:1,010人  学科数:8学科
建設系:建築コース 50人(男子33人女子17人)
    環境土木コース 58人(男子48人女子10人)

 徳島県立科学技術高等学校は、就職および進学の両方を支援する新しい専門高校として、平成21年4月に開校した。類コース制をとっており、コース選択は1年後期。本格的に専門科目の学習に入るのは2年生からである。専門科目への取り組みが遅くなる分、早くから主体性のある生徒の育成を目指している。
 建築コース・環境土木コースともに、2級学科試験は3年間の専門的な学習の仕上げとなる目標であり、全員で受験する。建築コースの佐川先生は、資格対策について「『施工』『法規』『構造設計』など関連科目の授業内で、問題を取り上げて解説します。以前は放課後補習をしたこともあったのですが、部活動があるので来ない生徒もいる。これではほかの生徒の士気も下がってしまうため、授業内に全力でやることにしたのです」と説明する。

佐川 忠行先生
曽根 徳治先生

 環境土木コースの曽根先生も、「土木施工」「構造」「基礎力学」などの授業内で、それぞれの担当教員が関連する2級学科試験問題に触れて解説していると話す。「授業では、視覚的に理解でき、短時間で説明することが大切。大きく描いた図を黒板に張って説明し、縮小したものをプリントして配付しています」。曽根先生はさらに「目的意識がはっきりしてくると、やりがいに直結する」と語る。「就職には必要とわかれば『今のうちにがんばってやっておこう』となる。就職を強く意識するよい機会になっているようです」。
 佐川先生の担当する建築系科目では、1年次から徳島県建築士会と連携した実習を取り入れている。平成25年からは、2年次の2月に「建築コース展」を開催。「生徒の設計作品に、建築士会から表彰や講評をいただいています。この取り組みを始めてから、2級学科試験の合格率もよくなりました」。
 卒業後を意識することで、資格取得への意識は高まる。社会との接点は、資格指導と不可分だといえるだろう。

(2016年3月18日 徳島県立科学技術高等学校にて取材)

 



 

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