人材確保・育成

工業高校における2級施工管理技術検定(学科試験)実施の現状|ケース6 高知県立高知工業高等学校

建築科 上村 正博先生、谷田 俊宏先生
土木科 松田 哲典先生


高知県立高知工業高等学校

社会人としての「いきる力(生きる力・活きる力)」を育成することで、資格取得にも意欲

 


 
高知県立高知工業高等学校
設 立:1912年   課 程:全日制・定時制
生徒数:879人   学科数:7学科
建設系:建築科 143人(男子109人女子34人)
    土木科 137人(男子132人女子5人)

 高知県立高知工業高等学校では、平成26年度から学校を挙げて「イノベーションKT(探究型人材育成)」に取り組んでいる。目標は社会でリーダーシップがとれる人材を育てることだ。内容は学年ごとに異なり、高知工科大学や企業と連携した授業や宿泊研修など、ディスカッション、プレゼンテーション、コミュニケーションといった基礎的なスキルや社会性・協調性を身につけるさまざまな活動を行う。建築科の上村先生は「この取り組みを始めてからさまざまな面で生徒の態度が目に見えて変わりました」と話す。「建築・土木など専門以外の人間力をつけさせたい。そのためにも学校を挙げて意識づけていかなければ、人は育ちません」と、土木科の松田先生もその効果に期待を寄せる。
 建築科・土木科ともに2級学科試験には全員で取り組んでいる。「皆で取り組んで皆で合格しようという雰囲気作りを大切にしています。学校行事である遠足が10月にあるのですが、そこでも30分、皆の意識づけのパフォーマンスとして問題を解いたりして気持ちを高めたこともあります」と松田先生。上村先生も「雰囲気は大事ですよ。担当する教員のやる気が生徒のやる気も引き出します」と大きく頷く。

上村 正博先生
谷田 俊宏先生
松田 哲典先生

 いずれの試験も範囲は広く、すべてを指導するのは難しい。「教員でも、専門分野ではわからないことがあります。特に『施工』はいつも苦労する。あまり細かく具体的なことを説明しても、生徒は頭がいっぱいになってしまいますから、エッセンスだけ教えるようにしています」と言うのは建築科の谷田先生だ。「指導する方としては、全部理解して仕事に就いてほしいのできちんと教えたいのですが、なかなかそうもいきません。生徒には『自分が現場にいる感覚で問題を読め』と言っています」(松田先生)。目標とする合格率は8割。達成まであと少しだ。

(2016年3月17日 高知県立高知工業高等学校にて取材)

 



 

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