人材確保・育成

建設産業担い手確保・育成コンソ ーシアム

"心身ともに"土木建設に関するプロを育成

宮崎県産業開発青年隊

 宮崎県産業開発青年隊は全寮制を基本に“心身ともに”鍛えることがモットー。体験入隊の当日はちょうど「総合実習(基礎)」の実習日に当たり、ここに飛び入り参加。一緒に参加した企業の担当者、隊員の感想を伺った。

 

実践的な学習によって土木建設の専門家を育成


宮崎県建設技術センター

「産業開発青年隊」とは、戦後間もない昭和26年に全国に先駆けて発足した、土木建設に関する技術力と社会性を兼ね備えた技術者を教育・育成する機関だ。もともとは農村部の青年に建設や機械などの技術を教え、国の復興に活用することを目的として設立されたもの。この動きは全国的に広がったが、時代とともに減少して、現在は、宮崎県と沖縄県を残すのみとなった。
 宮崎県産業開発青年隊(以下、青年隊)は、宮崎県が指定管理者に運営を委託し、「宮崎県建設技術センター」で教育訓練を実施している。役割は大きく2つに分かれ、1つは、測量学や土木施工などの実践的な学習によって土木建設の専門家を育てること。もう1つは、全寮制による規律正しい集団生活と訓練により、“心身の教育”を行うこと。これまでの隊員は高校の新卒者が中心であったが、2014年度からは企業の若手社員の受け入れにも力を入れている(2014年度企業からの隊員受け入れ実績:4社、6名)。訓練コースは施工管理課程(基礎訓練中心で1年間、定員40名)、専攻課程(施工管理課程修了者等で1年間、定員20名)の2コースがある。

仲間の大切さが学べる1~2年間の全寮生活

「総合実習(基礎)」では、教官や隊員からアドバイスを受けながらコンクリートを“打つ”課題にチャレンジ。なかなか思うようにいかないが、何度か繰り返すうちに多少スムーズに動けるようになってきた。他の生徒さんの倍近い時間を要したものの、どうにか完成。教官から「初めてにしては上出来!」とお褒めの言葉をいただいて、素直に感激した。
 視察に訪れた企業の担当者からは「良かったのは、精神面の鍛錬を重視していること。そして、社会に出るための訓練に注力していること。寮生活を通じて人間関係の難しさや大切さを学べること」という青年隊についての感想をいただいた。また、実習に参加していた隊員の一人は、「技術面の向上だけでなく、集団生活を通して精神面も強くなれる。そこが最大の利点。ここで出会った隊員たちとは一生の友人になると思うので、今後ともお互いを高めていけるような関係性を築いていきたい」と答えてくれた。寮生活については、最初は不安があったそうだが、今は充実した日々を送っているという。
 なお、在学中に測量士補、火薬類取扱保安責任者、危険物取扱者、情報処理技能検定、大型特殊自動車運転免許などの資格が取得できるほか、車両系建設機械技能講習修了証、アーク溶接特別教育講習修了証なども受け取ることができる。こうした免許を取得することで就職後は即戦力となり、受け入れ側の企業にとっても大きなメリットになるだろう。これまでの卒業生は約4,700名。その多くが県内外の建設企業、自治体などで活躍しているそうだ。


授業料や寮費、資格取得費も含め年間の学費は70万円ほど


コンクリート打設実習の様子

 
※総合実習:講義や実習で学んだ全ての土木技術を使い、構造物の作成から据付けまでを行う現場実習(施工管理も含む)
 



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