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2017.03.14
国土交通省が進める施工時期の平準化|「ゼロ債」「余裕期間」の活用広がる
日経コンストラクション編集長 野中 賢
2014年6月に施行された改正品確法では、公共工事の発注者の責務として、計画的な発注と適切な工期設定に努めることが明記された。これを受けて、多くの自治体が施工時期の平準化に取り組む。...続きを読む
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2017.03.14
「チャイナ・プラス・ワン」戦略の難しさ|日本経済への中国の影響は引き続き大きい
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
世界経済は中国の景気動向に影響を受けやすい構造となっており、日本もその例外ではない。一方、日本企業の海外展開において、東南アジア諸国への投資拡大などから、中国以外の国々への進出も含めた「チャイナ・プラス・ワン」戦略が語られている。...続きを読む
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2017.02.21
導入が始まった「技術提案・交渉方式」|設計に施工者の関与強め事業を効率化
日経コンストラクション編集長 野中 賢
業界を挙げて進む生産性向上。ただし、個別業務の効率化だけでは効果は限定的だ。「全体最適」を実現するために、事業の進め方を見直していく必要がある。 切り札の一つとされているのが、新たな入札・契約方式である「技術提案・交渉方式」。...続きを読む
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2017.02.20
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
2016年の円ドル相場は年初来円高が進んだが、11月の米国大統領選挙以降、急速な円安となった。この背景としては、トランプ氏が新大統領に当選したことにより、米国の金融・財政政策のポリシーミックスが転換したことが考えられる。...続きを読む
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2017.01.27
国土交通省発注工事の入札・契約状況|平均落札率が5年ぶりに下落
日経コンストラクション編集長 野中 賢
東日本大震災が発生した2011年度以降、上昇を続けていた工事の平均落札率。2015年度は前年度に比べ1.24ポイントのマイナスで、5年ぶりに下落した。震災を契機に急増した工事入札の不調も大きく減少。...続きを読む
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2017.01.26
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
みずほ総合研究所の経済見通しでは、2017年の世界経済は持ち直しを見込むものの、米国の動向がカギを握るとみている。2016年6月の英国の「EU(欧州連合)離脱」(Brexit)を上回るサプライズといえる、...続きを読む
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2016.11.22
「未来投資会議」で示された建設業の道筋|首相自ら「生産性2割向上」を宣言
日経コンストラクション編集長 野中 賢
政府が産業競争力会議などの後継として設けた「未来投資会議」。成長戦略をリードする新たな司令塔として、「第4次産業革命」を推進するのが狙いだ。...続きを読む
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2016.11.21
世界経済を左右する新興国経済の行方|新興国への資本流入は続くのか
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
昨年後半から今年年初にかけて、中国を中心とする新興国経済の減速が、世界経済の最大のリスク要因として強く意識された。その後、新興国経済は...続きを読む
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2016.10.27
「未来への投資を実現する経済対策」のポイント|6兆円投じてインフラ整備を加速
日経コンストラクション編集長 野中 賢
政府は8月2日、「未来への投資を実現する経済対策」を閣議決定した。対策の事業規模は28兆円に及び、実質GDPの1.3%程度の押し上げを見込む。...続きを読む
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2016.10.26
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
2016年初、30ドルを割る水準まで大幅に下落した原油相場は、その後上昇に転じ、6月に50ドルの大台を回復する局面も見られた。...続きを読む
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2016.09.28
女性登用モデル工事で見えてきた実態|女性技術者は不足するも"入職予備軍"急増
日経コンストラクション編集長 野中 賢
国土交通省や自治体で、女性技術者の登用を促すモデル工事の試行が始まっている。しかし、女性技術者の数がまだ少なく、入札参加者が集まりにくい点が課題だ。...続きを読む
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2016.09.27
日本経済を下支えするインバウンド消費|訪日外国人対応の重点はモノからサービスへ
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
2015年に前年比5割増の1,974万人を記録した訪日外国人数は、2016年も引き続き増加しているが、訪日外国人によるインバウンド消費には、近時、減速感がみられる。...続きを読む
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2016.08.26
日経コンストラクション編集長 野中 賢
建設業界で人材の確保が難しい要因の一つが、労働環境の厳しさだ。最近ではそれを改善すべく、例えば現場を週休2日制にするモデル工事などが行われている。 ...続きを読む
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2016.08.25
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
わが国経済の中長期展望に関する一般的な認識は、本格化する人口減少と産業の空洞化で企業の競争力が落ち込み、成長率が低下するというものであろう。...続きを読む
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2016.06.27
自治体の「歩切り撤廃」の進捗|歩切り全廃へ、「端数処理」が今後の焦点に
日経コンストラクション編集長 野中 賢
2014年の「担い手三法」改正によって、「歩切り」の禁止が明記された。昨年1月時点で、全国の42%の自治体が歩切りを実施していたが、その後は徐々に減少。...続きを読む
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2016.06.24
求められるマインドの転換|投資、賃上げを抑制する期待成長率の低下
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
企業収益が高水準にあるにもかかわらず、設備投資や賃上げの動きが鈍いものとなっている。この背景には、企業が先行きに対する自信を持てないことがある。...続きを読む
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2016.05.26
日経コンストラクション編集長 野中 賢
国土交通省は土木工事の積算基準の新設や改定を実施し、この4月から適用する。「i-Construction」の推進やメンテナンス産業の育成、品確法改正を踏まえたものだ。...続きを読む
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2016.05.25
小売業、宿泊・飲食サービス業で強まる人手不足感|訪日外国人需要の増加が国内雇用を創出
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
内需の低迷が続いているにもかかわらず、小売業や宿泊・飲食サービス業といった業種で労働需給のひっ迫感が強まっている。この背景には、訪日外国人需要...続きを読む
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2016.04.28
日経コンストラクション編集長 野中 賢
発注量の増加や工事の利益率改善で、多くの建設会社が好業績を挙げている。それに伴い、技能労働者の賃金水準も上昇傾向にある。国土交通省の調査結果によれば、...続きを読む
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2016.04.27
欧米資本財市場で中国が存在感を強めるなか|日本企業の輸出戦略の転換~高付加価値化の推進
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
最近の日本の輸出伸び悩みの背景には、新興国経済の減速の影響とともに、欧米向けの資本財輸出の不振もある。欧米の資本財輸入では、日本のシェアが低下し、中国のシェアが大幅に拡大している。...続きを読む
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2016.03.22
デフレマインドの転換には政府介入も必要か|賃上げをめぐる政策対応
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
2016年の春季労使交渉は、昨年を上回るベースアップが見込まれる。政府の賃上げ要請もあり、2016年の主要企業の春季賃上げ率は...続きを読む
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2016.02.22
日経コンストラクション編集長 野中 賢
就業人口の減少と労働者の高齢化に悩む建設業界。その対策の切り札として、「建設現場の生産性向上」に注目が集まっている。国は新戦略「i-Construction(アイ・コンストラクション)」を掲げ、...続きを読む
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2016.02.19
M&A目的の株式投資や研究開発投資の増加など|企業の投資活動の新たな流れ
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
企業の設備投資が伸び悩んでいるとの指摘があるが、GDPの設備投資統計に反映されない新たな形での投資が増えている点に注意が必要である。すなわち、海外投資やM&Aを行う目的での株式投資、...続きを読む
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2016.01.26
広がる社会保険加入促進策|技能者の加入率低くても全員分の福利費負担
日経コンストラクション編集長 野中 賢
国と業界を挙げて、社会保険加入促進の動きが強まっている。国土交通省は、直轄工事で元請けと1次下請けを保険加入企業に限定し、 ...続きを読む
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2016.01.25
世界経済減速の中、国内企業収益に10兆円以上の恩恵|日本経済を下支えする円安・原油安効果
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
世界経済の成長期待が揺らぐ中、海外売上高の減少や日本からの輸出低迷などを通じた日本企業の収益への影響が懸念されている。一方、現在の日本経済は、...続きを読む
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2015.11.26
2015年度の建設投資の見通し|政府建設投資は前年度比14%減
日経コンストラクション編集長 野中 賢
建設投資のピークは1992年度の約84兆円。そこから右肩下がりで減り続けたものの、2011年の東日本大震災以降、...続きを読む
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2015.11.25
日本以上に「アジア」へのダメージ大|中国経済「減速」が各国経済に与える影響
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
中国経済に対する不安から世界的な株価下落が生じている。背景には、中国経済の減速が世界に伝染する懸念があるようだ。...続きを読む
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2015.10.30
日経コンストラクション編集長 野中 賢
インフラや公共施設の老朽化が進むなか、管理者の多くは技術職員不足にあえいでいる。そこで最近、インフラの維持管理を民間に委託する例が増えてきた。...続きを読む
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2015.10.29
2015~20年で「6.5兆ドル」|日本の経済成長を支える「アジアインフラ投資」
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
高齢化や人口減少、あるいは社会保障費の増大など、日本経済の今後を語る上でのキーワードはやや悲観的なフレーズが多い。一方で、中期的に見ると、...続きを読む
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2015.09.24
円安定着が追い風に|コストから見た製造業「国内回帰」の可能性
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
今年に入り、製造業の「国内回帰」というキーワードがマスコミで多く取り上げられるようになってきた。...続きを読む
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2015.07.29
日経コンストラクション編集長 野中 賢
近年の国内建設投資の持ち直しで、業績回復が著しい建設業。一方の海外事業も好調で、東南アジアでの地下鉄建設など大型案件の受注が相次ぐ。2014年度の主要建設会社の海外工事受注は1兆8,000億円に上り、...続きを読む
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2015.07.28
今年度中に政府目標「2,000万人」達成も|訪日外国人数見通しとマーケティング戦略
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
メディアでも報道されている通り、訪日外国人観光客が大幅に増加している。このペースでいけば、政府目標である「2020年に2,000万人」は程なく達成し得るほどの勢いだ。...続きを読む
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2015.06.23
自治体の「歩切り」の実態|歩切り実施は4割、今後は自治体名公表も
日経コンストラクション編集長 野中 賢
積算に基づく金額よりも減額して予定価格とする「歩切り」。2014年の「担い手三法」改正によって、その禁止が改めて明示された。だが、国土交通省などの実態調査の結果では、歩切りを実施していた自治体は4割に上る。同省は今後、歩切りをやめない自治体名の公表も検討している。...続きを読む
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2015.06.22
年初来、堅調だった主要指標も4月発表の3月分は下振れに|米国経済指標の下振れは景気変調のサインか
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
米国経済指標の下振れに対して、景気変調のサインではないかとの不安が生じている。年初来、経済指標は予想比下振れを続けていたものの、主要指標については比較的堅調なものが多かったが、4月に発表された3月分では主要指数も下振れしているからだ。今回は、みずほ総合研究所が米国駐在のエコノミストと行った会議に基づき、こうした景気変調への懸念をどう捉えるべきか解説する。...続きを読む
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2015.05.22
日経コンストラクション編集長 野中 賢
国土交通省は今年3月、土木工事積算基準の改定を発表し、4月から適用を開始した。一般管理費率と現場管理費率を引き上げたほか、2工種の歩掛かりの新設や、間接工事費の市街地補正の割り増しも実施。 ...続きを読む
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2015.05.21
原油暴落がもたらした「水没金利競争」のわな|成長なき外需依存が招く世界経済の長期停滞化
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
原油価格の暴落は資源ブームや新興国ブームの見直しのみならず、各国の金融政策に多大な影響を もたらしている。原油安に伴う物価の下落によって、各国が異例の金融緩和を続けているのだ。...続きを読む
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2015.04.24
公共工事の設計労務単価|3年連続引き上げで2000年の水準上回る
日経コンストラクション編集長 野中 賢
公共工事の予定価格を積算する基準となる公共工事設計労務単価。2013年度以降、法定福利費相当分を単価に含めるといった変更が行われ、長期低落傾向から一転、3年続けての引き上げとなった。...続きを読む
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2015.04.23
自国主導で「中国経済圏」の拡大を狙う理由|中国経済の「中程度の高成長」は維持されるか
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
中国の習近平政権が積極的な外交を展開している。特に太平洋地域でのインフラ建設や 経済統合といった分野でプレゼンスを強化しているのには、国内の経済問題の解消という背景がある。...続きを読む
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2015.03.23
高速道路会社6社の道路改修事業 総額4兆円の大規模更新・修繕が動き出す
日経コンストラクション編集長 野中 賢
インフラの老朽化が全国的に問題となり、本格的に始まった維持管理の時代。その目玉となる事業が、今年から動き出す高速道路の大規模改修だ。構造物を造り替える「大規模更新」、劣化箇所をまとめて修繕する「大規模修繕」の2種類があり、高速道路会社6社を合わせると、約4兆円に及ぶ大事業となる。...続きを読む
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2015.03.20
先行する欧州では失敗の歴史 軽減税率を日本で導入する必要はあるか
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
消費税の逆進性を緩和するために、食品などに対する軽減税率の導入が検討されている。だが、先行する欧州諸国では当初の目的が達成されていない。実際に食品にゼロ税率を導入した場合の税負担効果を試算すると、逆進性対策としては有効ではないことが分かる。...続きを読む
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2015.02.28
日経コンストラクション編集長 野中 賢
国土交通省発注の直轄工事で、落札率が上昇している。発注量が増えているのに加え、低入札調査基準価格が上がっていることが要因だ。一方、自治体発注工事では、地元企業の育成を目的として、指名競争入札を復活させる動きが相次いでいる。...続きを読む
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2015.02.27
1985年当時と状況が似ている 「逆オイルショック」が経済に与える影響
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
原油価格の下落が目立っている。ここ数年1バレル=100ドル前後で推移していたが、 米国のシェール革命でOPECの価格支配力が低下したことなどにより、昨秋以降から急落が始まった。今回は、「逆オイルショック」ともいえる原油価格の下落が起きている背景と、世界経済に与える影響について解説する。...続きを読む
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2015.01.28
主要建設会社の2015年3月期中間決算 国内公共と海外で土木受注が大幅増
日経コンストラクション編集長 野中 賢
2014年11月に相次いで発表された建設会社の中間決算。大手・準大手の決算内容を見ると、土木分野での受注の好調ぶりが目立った。一方、各社とも人員不足のなか、施工能力が限界に達するとみて、今後は利益の見込める案件の受注に集中していく姿勢を見せる。...続きを読む
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2015.01.27
3兆円規模の対策を独自に提言 「アベノミクスの死角」に対応せよ
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
第2次安倍政権が発足してから2年が経過した。アベノミクスの経済政策によって円安・株高を実現した一方、その効果は輸出型大企業に集中し、中小企業や地方への波及が遅れている。そんな中、衆議院解散・総選挙を迎えることとなり、アベノミクスは成果を問われている。今回は、「アベノミクスの死角」に対する当社の提言と、想定される経済対策について解説する。...続きを読む
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2014.11.26
年末に向けて議論が本格化 消費税引き上げに必要な「3つの条件」
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
日本では9月以降、急に景気の足踏み論が台頭し、8%から10%への消費税引き上げへの慎重論が生じている。4~6月期の成長率が下方修正されたこともこうした議論を後押しし、「デフレ脱却が先だ」との意見もあるが、著者は成長率見通しを前提に消費税引き上げは予定通り行うべきとのスタンスである。...続きを読む
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2014.11.21
外国人建設就労者受け入れ事業の概要 報酬や従事できる業種をガイドラインで明示
日経コンストラクション編集長 野中 賢
短期的な人手不足解消に向け、外国人建設就労者受け入れ事業が来年度から始まる。国土交通省は9月に、制度の詳細を記したガイドライン案を発表。...続きを読む
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2014.10.23
若手技術者・女性技術者の登用策 総合評価や経審の加点で育成を促す
日経コンストラクション編集長 野中 賢
建設業の担い手として注目を集めているのが、若手と女性だ。国土交通省は、現場での若手技術者の登用を促すため、総合評価や経審で優遇措置を取る。女性技術者・技能者を5年以内に倍増させる目標も定め、取り組みの一環として、女性技術者の配置を要件とする入札の試行も始めた。...続きを読む
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2014.10.22
日本が意識する以上のリスクとなるか 「対ロ関係悪化」で懸念される欧州経済減速
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
ウクライナをめぐる欧州とロシアの対立は、双方の「制裁強化」の側面が強まっている。著者によると、欧州の市場参加者はわれわれが日本で意識する以上に、ウクライナ問題に関する地政学的なリスクを重く受け止めているように見えるという。今回は、対ロ関係悪化で欧州経済が受ける影響について解説する。...続きを読む
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2014.09.19
自治体の2014年度予算 税収の増加が投資的経費を押し上げる
日経コンストラクション編集長 野中 賢
景気回復による税収増を背景に、2014年度は当初予算の規模が膨らんだ。国の財政支援も引き続き手厚く、7割の都道府県で公共事業関連の予算が増加した。防災事業やインフラの維持管理に多くの予算を振り向けつつ、国の新制度を利用して、建設会社の雇用拡大事業に取り組む自治体も多い。...続きを読む
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2014.09.18
海外投資家を強く意識した内容に 「新成長戦略」から経済トレンドを読む
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
先般、「日本再興戦略改訂2014(新成長戦略)」が閣議決定された。海外からはいつもながら辛口の見方が多いが、英『エコノミスト』誌が従来に比べてプラス評価を行うなど、昨年の成長戦略から1年をかけて課題に対処してきたこと、さらに今回は海外投資家の目を随分と意識した内容であることが功を奏しているようだ。 今回は、新成長戦略の中身を読み解く。 ...続きを読む
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2014.08.19
ロシア抜きのG7で話題になったこと 世界経済は「平時化」も、地政学的には「有事」
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
ロシア・ソチで開かれる予定だった今回の主要国首脳会議(G8)は、ウクライナ南部クリミア半島の併合によってロシアが参加停止となり、ベルギー・ブリュッセルに場所を変更して開催された。17年ぶりとなった「ロシア抜きでの首脳会議」で話題になったのは、ウクライナ問題を中心にした地政学的リスクだった。今回は、G7で議論された内容を基に、現在の国際状況を読み解く。 ...続きを読む
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2014.08.15
建設三法改正のポイント 担い手確保に向け施工者の適正な利潤確保を掲げる
日経コンストラクション編集長 野中 賢
今年5月29日、品確法、建設業法、入契法が改正され、一部が6月に施行された。改正の大きな目的は、いま課題となっている建設業の担い手確保だ。そのためには、建設会社の経営体力を維持することが必要だという考え方の下、建設会社が適正な利潤を確保できるように、発注者が配慮すべき事項が掲げられている。...続きを読む
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2014.06.16
今年最大の「日本国債」リスク 日本版・金融緩和の縮小がもたらす影響
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
消費税率の引き上げから1カ月を経て、日銀は「増税による景気の落ち込みは限定的」と量的・質的金融緩和の継続を発表した。黒田東彦総裁は出口戦略について「時期尚早」と述べているが、2%の物価安定目標が見えてきた段階で、気の早い市場が「日本版テーパリング(金融緩和の縮小)」のシナリオを持ち出す可能性もある。今回は、日本版テーパリングの可能性と影響について解説する。...続きを読む
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2014.06.16
建設労働者と資機材の不足 技能労働者不足は「東北以外」で深刻に
日経コンストラクション編集長 野中 賢
東日本大震災を契機に、一気に表面化した「ヒト」「モノ」不足。被災地での生コン不足などは、様々な対策で一時に比べて落ち着いてきたが、仮設資材や重機については、不足感がむしろ強まっていると言えそうだ。一方の労働者不足は、関東・中部・中国地方など、東北以外の地域でも深刻化している。...続きを読む
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2014.05.16
もはや一国経済のリスクにとどまらない ウクライナ情勢を読む~問題の本質は何か
みずほ総合研究所 チーフエコノミスト 高田 創
ウクライナ南部クリミア半島の編入を強行しようとするロシアに対し、国際圧力が高まっている。 日米欧7カ国(G7)による非難と経済制裁の強化にロシアがどのような態度に出るのか、世界中が注目するニュースとなっている。今回は、深刻化するウクライナ情勢が、世界経済に及ぼす影響について解説する。 ...続きを読む
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2014.05.15
外国人技能労働者の受け入れ拡大 人手不足解消を視野に実習期間を延長
日経コンストラクション編集長 野中 賢
技能労働者不足に拍車が掛かるなか、外国人労働者活用の議論が盛り上がっている。政府は4月、外国人技能実習制度を利用した時限措置を発表。3年間の技能実習を修了した外国人労働者に、追加の就労を認める内容だ。期待の声が上がる半面、様々な課題も指摘されている。...続きを読む
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2014.04.21
景気の行方は企業・個人の振る舞い次第 アベノミクス「正念場」とわれわれの課題
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
消費増税が目前に迫る中で、増税後の景気についてさまざまな見方が飛び交っている。回復基盤が底堅いという報道が目立つ中、「円安や公共投資の効果は一時的」との見方も根強く、本格的な設備投資や雇用拡大、賃上げには慎重な経営者も多い。今回は、アベノミクスが正念場を迎える今、企業・個人が取り組むべき課題について解説する。 ...続きを読む
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2014.04.21
公共工事の契約をめぐる最近の動き ダンピング防ぎ社会保険加入を促進
日経コンストラクション編集長 野中 賢
建設業の将来の担い手を確保するためには、建設会社の経営安定が不可欠だ。だが、最近は公共事業量が増加傾向にあるものの、ダンピング受注は無くなっていない。そのしわ寄せで下請け企業の経営は圧迫。社会保険が"犠牲"になることも珍しくない。こうした事態を防ぐため、国は法改正など矢継ぎ早に対策を打ち出した。...続きを読む
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2014.03.24
5年で経常黒字は8分の1に縮小した日本の「双子の赤字」国化と3つの課題
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
経常収支の黒字が急速に縮小している。2013年の経常黒字は3年連続で縮小し、3.3兆円となった。07年(24.9兆円)と比べれば、約8分の1という小ささである。 近い将来、日本が米国と同様、財政赤字・経常赤字を抱える「双子の赤字」国となるという予想も増えてきている。 今回は、日本の経常黒字縮小が進んだ場合、出てくるであろう課題について解説する。 ...続きを読む
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2014.03.24
若手技能者不足の実態工業高校の建築系学科卒業生は7割が他の道に
日経コンストラクション編集長 野中 賢
2008年のリーマン・ショック以降、指摘されてきた技能者不足は、震災復旧・復興や昨今の公共事業の増加で、もはや限界に達している。 若手入職者も集まらない。工業高校の建築系学科卒業生のうち、建設業への就職者は3分の1。 技能者の賃金水準を確保する目的の「標準見積書」の活用も進んでいないのが現状だ。 ...続きを読む
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2014.02.14
「再び円高」という可能性も円安は続くのか~2014年の為替シナリオ
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
アベノミクスは日本経済の風景を大きく変えたが、その最大の推進力の一つが、円安だった。 とりわけ輸出型大企業にとって、円安は大きな収益回復要因となり、株価も上昇した。 こうした円安傾向は、今後も続くのだろうか。 今回は、企業経営に大きな影響を与える為替について、2014年の見通しを解説する。 ...続きを読む
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2014.02.14
国が展開する建設業の「担い手確保策」労務単価を7%引き上げ法改正も模索
日経コンストラクション編集長 野中 賢
震災復興や国土強靱化、東京五輪開催決定などで、右肩上がりの様相を見せる公共事業。 しかし、建設業への入職者は減少が続き、担い手確保が大きな課題として持ち上がっている。 厳しい労働環境の改善に向けて、国はさらなる設計労務単価の引き上げを図る。 品確法も改正し、過剰な価格競争による企業の体力消耗を防ぐ考えだ。...続きを読む
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2014.01.21
工事や業務での消費増税の取り扱い受注者都合の工期延長なら増税分は自己負担
日経コンストラクション編集長 野中 賢
2013年10月、政府は2014年4月からの消費税増税を決めた。 それに伴い、工事や業務にかかる消費税率はどのように変わるのかをまとめてみた。 基本的には契約時期と引き渡し時期で決まるが、設計変更などを伴う場合は注意が必要だ。 一方、消費増税を見据えた「駆け込み契約」も増え、資材不足の懸念も高まっている。...続きを読む
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2014.01.20
エコノミストが現地で聞いたドイツ中堅・中小企業が強い「5つの理由」
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
ドイツ経済は、金融危機後の大きな落ち込みから素早く立ち直り、ユーロ圏経済の支柱となってきた。 そのような頑健さの背景として、2000年代前半に行われた労働市場改革の成果を指摘する向きが多いが、 強い競争力を持つ多くの中堅・中小企業の存在も見逃せない。 今回は、ドイツ中堅・中小企業の強さの源泉を、現地での取材を踏まえて解説する。...続きを読む
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2013.11.11
世界経済は正常化したのか?リーマン危機から5年~3つの「後遺症」
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
米大手証券会社リーマン・ブラザースの破綻(2008年9月15日)から5年が過ぎた。当時の危機の深刻さがあらためて思い起こされると同時に、経済活動や金融市場が正常化しつつあるという認識も広がってきた。しかし本当に、危機の傷痕は癒えたといえるのだろうか。今回は、リーマン危機後に根深く残る「後遺症」と、世界経済への影響について解説する。...続きを読む
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2013.11.11
発注機関が模索する入札の不調・不落対策 効果薄い復興JV、「予定価格超でも契約」の例も
日経コンストラクション編集長 野中 賢
東日本大震災の復興工事が本格化し、東北地方では工事に携わる人や資材の不足が深刻化している。労務費や資材費の高騰、配置予定技術者の不足などから、工事の入札で不調(参加者がゼロまたは規定に足りず不成立)や不落(入札価格が全て予定価格を超過するなどして落札者が決まらない状態)が頻発している。...続きを読む
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2013.10.22
落札率の上昇続く自治体の入札都道府県の4分の3で平均落札率が90%以上
日経コンストラクション編集長 野中 賢
都道府県が発注する土木工事で、落札率の上昇が続いている。2012年度は全ての都道府県で、土木工事の平均落札率が85%を超えた。ここ数年、低入札対策で調査基準価格が頻繁に引き上げられていることが大きな要因だ。入札価格の横並びによる「くじ引き落札」も多発。入札から競争性が失われつつある。...続きを読む
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2013.10.21
「先進国停滞、新興国成長」のシナリオが変わった新興国経済の「減速」に備えよ
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
新興国経済が不安定化している。インド、インドネシア、ブラジル、トルコといった国々で、資本流出とそれに伴う通貨や株価の下落が目立つ。欧州発の金融危機後、新興国経済の成長に頼ってきた日本を含む先進国の企業は、こうした動きをどう捉え、対応していくべきだろうか。今回は、新興国経済「減速」の実態と、今後の見通しを解説する。...続きを読む
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2013.09.12
PPP・PFIを推進し12兆円の事業規模にアベノミクスが呼び込む民間資金
日経コンストラクション編集長 野中 賢
政府の成長戦略で、インフラの整備や維持管理に民間資金を積極的に呼び込む方針が示された。 改正PFI法に基づく運営権の導入や、首都高速道路で「空中権」を活用する案などによって、民間資金を活用したインフラ事業の規模を今後10年間で12兆円に拡大する。 ただし、民間へのインセンティブをいかに確保できるかなど、普及への課題は多い。...続きを読む
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2013.09.12
「新卒一括採用」「終身雇用」は死語になる?!労働市場の変化は「経営のチャンス」
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
安倍政権による成長戦略の柱の一つが、人材の活用だ。日本が未曾有の少子高齢化時代を迎えようとする中、女性や高度外国人のさらなる活用が求められているが、こうした動きは今後労働市場をどう変え、企業側にどのような対応を迫るのか。今回は、アベノミクス実行後に起こり得る労働市場の変化と、企業に与える影響について解説する。 ...続きを読む
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2013.08.20
自治体の2013年度予算 12年度補正予算と一体で公共事業が急増
日経コンストラクション編集長 野中 賢
主に社会資本整備に充てられる投資的経費は、都道府県全体を合計すると2011年度まで15年連続で減少。12年度も東日本大震災の被災3県を除き前年度比マイナスだった。...続きを読む
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2013.08.20
米国で起きている「変化」を見逃すな「米国製造業革命」と日本のモノづくりの課題
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
米国の生産、雇用回復が著しい(リード参照)。ミクロの動きも活発で、フォードなど大企業による国内生産拠点拡充、国内生産回帰の動きが多く報じられている。また、3Dプリンティングなど革新的な生産技術や、それらを活用した製品、企業の輩出も盛んである。...続きを読む
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2013.06.11
設計労務単価15%上昇の影響国交相自ら技能労働者の賃上げを要請
日経コンストラクション編集長 野中 賢
国土交通省と農林水産省は3月29日に、2013年度の公共工事設計労務単価を発表。全51職種の全国単純平均で、前年度比15.1%と大幅に上昇させた。技能労働者の賃金を上げることで若手の入職を促すとともに、逼迫する労働需給を適正化するのが狙いだ。...続きを読む
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2013.06.11
リスクに対処し、チャンスを逃さない「中国経済減速」の影響をどう見るか
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
実質GDP成長率の低下、緩慢な景気回復など、足下の中国経済が伸び悩んでいる。中長期的に見ても、より慎重な見方が増えているようだ。「中国の潜在成長率は5%に低下しつつある」「中国が米国を抜いて世界最大の経済大国になることはない」といった指摘もある。...続きを読む
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2013.05.07
首都高速と新幹線の老朽化対策1兆円近い更新費をどう確保するかが焦点に
日経コンストラクション編集長 野中 賢
老朽化する首都高速道路の大規模更新・修繕には7900億円以上が必要──。首都高速道路会社は1月15日、有識者らによる調査研究委員会(委員長:涌井史郎・東京都市大学教授)で、こんな試算結果を示した。...続きを読む
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2013.05.07
「労働者はコスト」という発想を変えよデフレ脱却を支える「賃上げ」の条件
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
日銀が新しい総裁・副総裁の下で打ち出した金融政策の「レジーム・チェンジ」を、市場は好意的に受け止めている。株高、債券高(長期金利低下)、円安が急速に進み、不動産市場にも回復期待が高まっている。海外の中央銀行や投資家の評価もおおむね高いようだ。...続きを読む
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2013.04.04
持続的な景気回復のカギを握る 「インフレ目標」成否を占う3つのシナリオ
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
安倍総理がまずこだわったのは、日銀と2%のインフレ目標を共有し、その実現に向けて従来以上に積極的な金融緩和を日銀に求めることだった。安倍政権は、それによってデフレ脱却が実現し、日本経済の再生が始まると考えているが、懐疑的な見方もある。以下では、3つのシナリオから金融政策の成否を探る。...続きを読む
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2013.04.04
大型補正予算で「復権」する公共事業 7.7兆円の公共事業関係費で国土強靱化を推進
日経コンストラクション編集長 野中 賢
「従来とは次元の違うレベルで、一体かつ強力に実行する政策パッケージの第一弾だ」。安倍晋三首相は1月11日に閣議決定した「日本経済再生に向けた緊急経済対策」について、このようにぶち上げた。...続きを読む
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2013.03.07
建設経済研究所
建設業景況調査は、大手ゼネコンを除く地域の建設企業を対象に、地元建設業界の景気、受注、資金繰り、資材、労務等の経営動向や経営上の問題点を調査し、建設業のおかれている状況を総合的に迅速かつ的確に把握することを目的として、前払金保証事業を営む保証事業会社3社(北海道建設業信用保証会社、東日本建設業保証株式会社、西日本建設業保証株式会社)によって昭和56年度から行われている調査(以下「景況調査全国版」という。)である。...続きを読む
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2013.03.07
早くも、行き過ぎた円安への懸念が出始めた進む円安~「いくらまで」が適正なのか?
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
円高是正への期待は大きい。急激な円高が輸出企業の競争力を削ぎ、収益を悪化させ、景気に悪影響を及ぼしてきたことは事実である。世界経済が最悪期を過ぎ、緩やかな回復に動き出しているのだとすれば、円安が輸出を押し上げ、昨年春以降停滞していた日本経済を回復させる可能性がある。...続きを読む
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2013.01.25
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
安倍総裁は選挙期間中から、大胆な金融緩和と円高是正、公共投資の拡大、成長産業の特定と支援による経済再生・デフレ脱却(大きな政府による経済再生)を主張してきた。安倍政権の誕生に、市場は今のところ肯定的な反応だ。円ドルレートは下落に転じ、日経平均株価は1万円を超えた。しかし、アベノミクスの効果については、懐...続きを読む
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2013.01.25
建設経済研究所
(一財)建設経済研究所では、平成24年6月から8月にかけて建設企業を対象に技術経営への取り組み状況に関するアンケート調査を実施し、企業規模別の傾向の把握も含めた整理・分析を行っている。 ...続きを読む
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2012.12.20
投資減少、資金逃避などの影響も日中衝突は中国にとっても大きな経済損失
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
日本企業はこれまで、中国の豊かな労働力や産業集積を生かしつつ、その大きな市場に地歩を築くことで収益を拡大させてきた。しかし、賃金上昇や現地企業との競争激化というここ数年来の環境変化に政治リスクが加わった今、ビジネスモデルの在り方を再考する必要が出てきている。...続きを読む
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2012.12.20
建設経済研究所
東京都の首都高速道路建設に象徴されるように、日本では東京オリンピック(1964)を期にモータリゼーションが始まり、自動車の急速な普及とともに、道路が整備されてきた。「50年ぶりに再びオリンピックを東京に招致を」という機運を盛り上げる声は同時に、「首都高速などに使われている道路橋梁も築後50年を経過したのだ」と我々に語りかける。...続きを読む
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2012.11.20
投資減少、資金逃避などの影響も日中衝突は中国にとっても大きな経済損失
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
尖閣諸島の領有権をめぐる日中対立によって、日本企業が大きな悪影響を被っていることは、すでに報じられている通りである。破壊活動や日本製品忌避によって、営業停止や生産縮小を余儀なくされた日本企業は多い。中国人旅行者の訪日キャンセルも相次いでいる。 ...続きを読む
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2012.11.20
建設経済研究所
東日本大震災の発生から1年半余りが過ぎ、公的需要は復興の本格化により一時的に高い伸びを示している。しかし、2013年度は前年度からの予算繰越額が平年以下となることから反動減となる見込みである。一方、民間需要はエコカーなどによる堅調な個人消費に牽引されていたが、中国をはじめとする海外景気の停滞と企業設備投資の伸び悩みにより、踊り場を迎える懸念が強まってきた。...続きを読む
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2012.10.23
争点となっている両候補者の「経済政策」 2012年米大統領選の結果は米国経済を変えるか
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
オバマ、ロムニー両候補の経済政策は、そのコンセプトも具体的な中身も大きく異なる。オバマ大統領の経済政策の主眼は、景気回復と雇用創出を優先すると共に、所得再配分の強化を通じて中間層の生活水準を押し上げることだ。そのため、インフラや研究開発への投資拡大によって景気を刺激し、高所得層向け減税を停止・縮小して中間...続きを読む
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2012.10.23
建設経済研究所
日本の経済動向を見る上で、公共投資は重要な項目の一つである。その公共投資に関する統計はいくつかあるが、今回は内閣府が発表する月例経済報告にも利用されている、建設工事受注動態統計(以下「受注動態統計」という。)と公共工事前払金保証統計(以下「前払金保証統計」という。)に注目して、この2つの統計の違いとその...続きを読む
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2012.09.24
建設経済研究所
建設業に対する貸出動向に関し、国内全体の動向については日銀が公表するデータを用いたが、統計資料で把握できるものがない被災3県の動向については、各金融機関の開示資料をもとに数値を積み上げた。この中で地域的な貸出動向を把握する観点から、大手銀行を除いた地方銀行・第二地銀・信用金庫の開示資料を用いたが、開示内容の性格上、被災3県のデータは被災3県に本店を置く金融機関の...続きを読む
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2012.09.24
米国QE3の可能性、高まる日銀は「さらなる金融緩和」を迫られる
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
米国FRBが金融緩和をさらに進め、早ければ9月のFOMCで、量的緩和第3弾(QE3)が決まるとの予想が増えている。その背景には、米国経済がいまだ停滞から抜け出せないという現実と、世界経済の予想以上の減速が景気下押しリスクを高めていることがある。2012年4-6月期の実質経済成長率は1.5%(前期比年率)にとどまり、...続きを読む
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2012.08.27
建設経済研究所
東日本大震災の復旧・復興需要が本格化の兆しをみせ、公的需要は一時的に高い伸びとなるが、2012年度後半からの復旧・復興需要のピークアウトにより、2013年度には反動減となることが予想される。一方、民間需要はエコカー補助金終了等により成長が足踏みする懸念があるが、欧州景気悪化の下げ止まりと中国経済の持ち直しによる輸出の増加、加えて消費税増税を控えた駆け込み需要が2013年...続きを読む
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2012.08.27
「ソフトランディング後」に備えよ!「中国経済減速」の背景と今後の見通し
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
中国経済の減速が目立っている。2012年4-6月の実質GDPは、前年比7.6%という低い伸びにとどまった。 電力消費や工業生産など経済活動水準を直接示す指標の最近の動きを踏まえると、実態的な経済成長率はさらに低いとの指摘もある。いずれにせよ、中国経済がここにきて予想以上に減速していることは疑いない。 今回は、中国...続きを読む
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2012.07.19
建設経済研究所
近年、縮小が続いてきた国内建設市場は、甚大な被害を及ぼした東日本大震災の復旧・復興により増加に転じ、2011年度の名目建設投資は前年度比2.7%増の41兆9,900億円となった。今後は、政府建設投資について震災関連予算の編成及び執行により増加が見込まれ、さらに民間建設投資についても震災後の停滞から持ち直しており...続きを読む
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2012.07.19
一歩前進したが、大きなリスクが残る ギリシャ再選挙後の「欧州経済」を読む
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
ギリシャ再選挙で、緊縮政策の継続を訴えた新民主主義党が第1党となり、「急進左派連合政権の登場→緊縮政策の放棄→ギリシャのユーロ離脱」というシナリオは、ひとまず回避された。また、EU首脳会議では、欧州安定メカニズム(ESM)による銀行への直接的資本注入や優先返済権の放棄、銀行監督の欧州中央銀行(ECB)への...続きを読む
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2012.06.20
建設経済研究所
被災地域の建設産業のこれまでの動向 岩手・宮城・福島の被災3県では、この10年ほどで公共事業費(各県の決算ベース)は1/3に減少している。また、建設企業数の13%減少に対して、建設業就業者数は30%減少しており、被災地域の建設企業は人員削減により存続を図ってきた様子が窺える(図表1)。こうした中、東日本大震災が発生した。これまでに指摘された課題の改善状況 通信の途絶については...続きを読む
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2012.06.20
新興国でも「人」が競争力の源泉に「賃金抑制」を終わらせる時期がきた
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
日本の労働者の賃金は、長期にわたって下落を続けている。2011年の一人当たり名目賃金は1997年の水準を12%下回り、実質賃金も1990年代後半以降に9%下落。賃金抑制は先進国共通の現象であり、著者はその副作用を懸念している。今回は、日本で賃金抑制が続く背景と、厳しいグローバル競争を生き抜くための「賃金抑制からの...続きを読む
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2012.05.29
建設経済研究所
わが国の橋梁技術は長大橋の建設などを通じて高度化され国際的にも高い水準にあるが、財政状況等から大規模プロジェクトが減少し、技術の継承・発展を図ることが難しくなりつつある。橋梁工事は専門性の高い分野であり、元請専門工事業である橋梁会社に蓄積された技術を活かすことが一層求められることになる。...続きを読む
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2012.05.28
価格急騰の懸念は杞憂かもしれない 原油価格の行方~「大幅に下がる」可能性も
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
原油価格は、世界経済を動かす重要な要素である。また、ガソリンや原料の価格に反映され、事業への影響が 大きいことから、経営者にとっても大きな関心事であるだろう。昨今は、足下での価格上昇が注目されているが、 筆者は一部の懸念とは異なり、「いずれ下が...続きを読む
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2012.04.19
輸出より「海外への投資」で稼ぐ時代に 日本の「貿易収支赤字化」・3つの論点
みずほ総合研究所 副理事長 杉浦哲郎
2011年の日本の貿易収支が赤字となったことが大きく報じられた。年間ベースでの貿易赤字は、国際収支ベースで48年ぶり、通関ベースでも31年ぶりであり、貿易立国であり続けた日本にとっての悪影響など、さまざまな懸念をかき立てている。今回は、日本の「貿易収支赤字化」をめぐる議論のポイントについて解説する。...続きを読む
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2012.04.19
建設経済研究所
昭和50年代に病院の1次建築ラッシュがあった。戦時中の医師不足に伴い、政府は医学生を増員する施策を行った。その医師が医師技能を身につけ独立開業し、医院を建てたのが昭和50年代中心になっているという背景がある。これらの病院が40年近くたち、老朽化が進んでいるものも少なくない。また、病院施設は、高齢化社会を迎えた日本にとってもより重要度を増している...続きを読む